内容説明
「恋のライバルは、白鳥だった!?」ある夫婦とコハクチョウの三〇年以上にわたる不思議な生活を描く「ガリップ」、斜向かいに越してきた老人の壮絶な愛の遍歴を綴った「オリーブ」など、結婚をめぐる不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
332
中島 京子は、新作中心に読んでいる作家です。バラエティに富んだ短編集、オススメは「家猫」&表紙絵の「ガリップ」です。 我が家の庭にオリーブの樹はありますが、実りません(笑) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003656502022/07/23
旅するランナー
284
世にもちょっと奇妙な人たちと出会える6短編。飄々としながらも、どこか毒気を含んだ語り口が、いかにも中島京子風。偏執狂な登場人物たちが魅力的です。モハメド・アリのサイン色紙、白鳥の顔の見分け方、失踪の思想、人工透析巡りの旅など、思わぬ学びもあります。特に「全国の都道府県名をドイツ語にすると無駄にかっこいい」ブログが気になって検索しました。確かに茨城はローゼンブルクになるんだ。兵庫はゾルダーテンラーゲー。皆さんもお住まいの都道府県名を調べてみて下さい。2022/07/22
けんとまん1007
202
家族って何だろう・・と、考える。家族の数だけ、いろいろあっていい。それにしても、この風合いの違いは、いい意味では飽きないが、どこか、落ち着かないほうが大きい。果たして、うちの家族はどのタイプだろうか?2022/08/22
ショースケ
201
読友さんが読んでいて興味を持った中島京子さんの短編集。どの話も驚くほどの大きな出来事はないけれど、ほのぼのしてすべて面白く読んだ。『家猫』は母、息子、息子の元嫁、今息子の部屋にいる若い女、それぞれの気持ちが綴られ、それぞれが思いもよらないことをみんな思ってるのが、とても面白かった。その他も、人間っていろいろだなぁと思わされた。そしてちょっぴり不思議な世界観のある一冊だった。読んで良かった。読友さん、いい本を紹介してくれてありがとう❣️2022/09/04
いつでも母さん
198
短編集。えーっと思ったり、哀しみを感じたり、おぉ~と飲み込んだり、これはどうなの?って首を傾げたり、うんうんうんと拳を握ったり、脱力したり・・そんなこんなの色んな6話。そこにあるのは『愛』色んな『愛』やっぱり『愛』なんだって。2022/07/15