内容説明
真実は、人の数だけある。
本格ミステリ界激震！ 新たな多重解決ミステリの金字塔がここに誕生！
大学生二年生の白兎（はくと）は、アパートの隣に住む一つ年下の後輩・志希（しき）に淡い恋心を抱いていた。二人が自宅に向かう路上、体調を崩し倒れこむ女性、唯（ゆい）と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大（みつるぎ・まさる）が著した20年前のベストセラー『神薙虚無（かんなぎうろむ）最後の事件』だった。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、シリーズ最終巻では解かれる謎を残したまま完結となり、ミステリ好事家の間では伝説となっているという。
白兎と志希は、唯の依頼で大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺とともに、作品に秘められた謎を解こうとするのだがーー。
過去と現在、物語の中と外、謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
249
王様のブランチBOOKランキングの上位に来ていたので読みました。紺野 天龍、初読です。西尾維新をシリアスにした雰囲気、何でもありなので、決して推理は当たりません。 登場人物の氏名が全て難し過ぎます、電話で説明出来ません（笑） https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003631022022/09/08
麦ちゃんの下僕
173
《怪盗王》久遠寺写楽vs神薙虚無ら《名探偵たち》との実際にあった名勝負を《観測者》御剣大が記録したという形で人気を博したミステリー「神薙虚無シリーズ」…その最終作『神薙虚無最後の事件』は、炎上騒動のため真相が不明のまま絶版に…。それから20年後、御剣大の娘・唯との出会いから、瀬々良木白兎ら東雲大学「名探偵倶楽部」の面々は『～最後の事件』の真相に挑戦する！…これも“多重推理”を楽しむ作品ですが、こちらはその推理の導く先が“希望”か“絶望”か!?というのが面白いですね！ライトな文体で読みやすいのも魅力です♪︎2023/01/10
ナルピーチ
155
実在した名探偵“神薙虚無”の活躍を小説化した人気シリーズ。その最終巻として二十年前に出版された『神薙虚無最後の事件』は多くの謎を残したまま完結を迎える。そして現在、小説に隠された《真相》を導き出す為に新たな“名探偵”たちによって繰り広げられる推理劇。作中作という意表を突く展開から始まり多重解決ミステリによって構成された物語は無数の推理を許容する想像の箱庭。それはまさに無限大！探偵の数だけ名推理が生まれていく！これはミステリ好きには快感を覚える一冊。怒涛に押し寄せる推理の波に酔いしれた！シリーズ化熱望です！2023/06/24
ちょろこ
153
斬新なミステリを体験した気分の一冊。一人の女性の心の救済のために名探偵倶楽部が一冊の本を読み謎を解くというミステリは先ず、人の優しさが好感度大。迎えた救済のための推理プレゼンテーション。誰のプレゼンが選ばれるのか…容赦ない推理、鋭い突っ込み、壮大突飛な推理にその都度アッと声が漏れ、一人終わるごとに休憩を挟み、目から鱗のような各々の斬新な推理を噛み締めた。能ある鷹は爪を隠す…的なプレゼンも目を見張る。そして回りくどい真相への導きの裏側の各々の想い、願いの絡み合い。しんみりさと面白さの混じり合いが、はなまる。2022/08/13
えにくす
122
20年前の大ベストセラー「神薙虚無最後の事件」は、実在する事件を元にした小説だった。大学生の瀬々良木と来栖は著者の娘の依頼により、大学内に在る「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺たちと共に、事件の真相を探る。いやあなかなか、面白かった！複数の人間が推理する多重推理、そして多重解決などが斬新。読者も一緒になって推理出来るので、読んでいて楽しい。バッドエンドかと思いきや、まさかの人物の名推理で物語は思わぬ展開へ。果たして衝撃の事件の真相は？恐るべき犯人の正体は？新たな名探偵が誕生して、これは続編に期待だ！★4.22022/06/22
