集英社文芸単行本<br> 布武の果て

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集英社文芸単行本
布武の果て

  • 著者名:上田秀人【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 集英社(2022/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087717983

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内容説明

永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ……。堺商人たちが辿り着いた、「本能寺の変」の驚くべき真相とは――。茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説。歴史時代小説の第一線を走り続ける著者渾身の快作!

目次

第一章 天下人の産声
第二章 近づく戦火
第三章 新たな関わり
第四章 急転する情勢
第五章 崩れた思惑
第六章 遠謀の足音
第七章 蠢く影
第八章 一気呵成
第九章 嵐来る
第十章 合わぬ動き
最終章 決意交錯

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

168
上田 秀人、初読です。堺の商人の視点での織田信長の物語、この視点は新鮮ですが、歴史小説としては・・・ https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771798-32022/07/05

hiace9000

92
破竹の勢いで天下統一の階段を駆け登るも、「権に囚われた」故に、本能寺であえない最期を遂げた信長。当時「天下の鍵」と呼ばれた堺。堺の大商人にして茶堂衆の今井宗久、千宗易、津田宗及らの視点から信長と戦国の世を描く。商い人も戦人。戦乱の世においてはここぞの場面で命をかけて商いを張る。茶室を舞台に、時流を読み、人を観て、機を捉える商人たちの慧眼と、著者の歴史への深過ぎる造詣は圧巻! 本能寺の変の新解釈にも説得力あり。作品の深みを"史実"で作るか、"人描き"で作るかー好みは分かれるが…私はどうも後者派かも知れない。2022/07/26

とし

83
布武の果て。堺の三商人今井宗久、千宗易、津田宗及(茶湯の天下三宗匠)から見た織田信長の生涯面白く読めました。 2022/07/15

かんらんしゃ🎡

43
★テスラもGAFAもあれよあれよで旧勢力を越えていった。日本でもソフトバンクはPCソフトを売る会社だったし、楽天はいくつもあるショッピングモールの一つでしかなかった。いつの世も新興勢力の見極めは難しい。★三好に付くか織田に付くか。商売で培った嗅覚を頼りに、堺衆はベンチャー織田の成長性と先々の株価を値踏みする。間違えれば堺が滅びる。商人にとっても生きるか死ぬかの戦いだった。 2022/06/30

なっく

35
戦国の混乱の世で、織田信長が天下人となる過程を描いた小説は多々あるが、本作は堺の商人という視点から描かれている点が面白い。戦は鉄砲が主役となり、鉄砲には本体のほか火薬のための硝石が必要であり、それを扱う商人たちはキープレイヤーになっていたのである。ネットも無い時代に、商人たちがここまで全国の状況を正確に把握していたかは怪しいが、彼らが金銭という尺度から歴史を解説してくれると思って楽しく読んだ。しかし、織田信長、エグいお人や。2022/10/11

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