内容説明
分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。
編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、
女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、
男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、
なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、
しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
454
柚木 麻子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。王様のブランチでも紹介され、著者初の独立短編集ということで期待して読みました。文藝春秋刊ならではの文豪も登場する女性中心(男性はオマケ)のバラエティに富んだ短編集、どの作品も面白いですが、オススメは、『Come Come Kan!!』&『エルゴと不倫鮨』です。 https://books.bunshun.jp/articles/-/7119?ud_book2022/05/05
まちゃ
268
何となくズレた人々をユーモラスに描いた七つの短編集。読んでるうちは、それなりに面白かったはずなのに、後に残るものは少なめ。表題のジェントルメンは、文藝春秋社を興した菊池寛のようですね。2022/05/21
うっちー
264
『オール讀物』用に書かれた短編集です2022/04/26
ひめか*
218
情景が鮮明に浮かんで、今も脳裏に焼き付いている。特に不倫鮨の赤ちゃん連れお母さん、すごい迫力だったな。豪快に注文して食べて嵐のように去っていった。私も女性だからか全く不快感はなく、私もその場にいたら話してたし居合わせたかった笑 菊池寛の銅像に助けられたり、女性専用車両からゲーム世界に入ったり。不可思議な出来事もありつつ、人と人とが巡り合わせる日常も描く。菊池寛の寛容さや呑気さに救われた。女性の住むアパートの話も、文学に共通点を見出して富豪にあやかろうとする女の子の話も良かった!ユーモア溢れる筆致に笑えた。2022/12/14
美紀ちゃん
205
短編集7作品。繋がりはないかも? ①菊池寛がTwitterで呟いて一晩で一万人フォロワーが増える事件。 メガネの秘密が素敵。 ④なんだかとても高級そうなお寿司、食べてみたい。 ワインボトルを抱えた司令塔のママの知識が素敵。大葉で巻かれた炙った帆立!よだれが出る。 食通! どれも本当に美味しそう。 とにかくお寿司が食べたくなる。 いい食べっぷりの人はカッコいい。憧れる。 置いてかれたおじさんたちのショボくれた顔が想像できて、痛快だった。 柚木さんの本なので 他の話も読後感がスカッとして良い。2022/04/24