創文社オンデマンド叢書<br> 芸術と技術 ハイデッガーの問い

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創文社オンデマンド叢書
芸術と技術 ハイデッガーの問い

  • 著者名:秋富克哉【著】
  • 価格 ¥6,765(本体¥6,150)
  • 講談社(2022/02発売)
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内容説明

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【内容紹介・目次・著者略歴】
「技術的世界の意味は覆蔵されている」。ハイデッガーが家郷の人々を前に語り出したこの言葉のうちに、本書は、ハイデッガーの思索の根本契機と、現代世界との接点を見出す。ハイデッガーが西洋形而上学との対決を通して読み解いていった西洋の歴史は、同時に、「制作(ポイエーシス)」の知として「芸術」と「技術」両者の由来である「テクネー」が現代テクノロジーにまで展開した歴史でもあった。その展開は、テクノロジーとアートの新たな関係を探る種々の試みとなって今日もなお不断に生成している。本書は、初期フライブルク時代から晩年に至るハイデッガーの有(存在)の問いの展開を「技術と芸術」の主題のもとに一貫して読み解き、家郷喪失性という現代人の運命を見据えながら、「技術的世界に覆蔵されている意味」の解明を通して、ハイデッガーの思想の現代的意義を探ることを試みる。

【目次より】
序章 問題の所在

第一章 意味と世界 思索の端緒において
第一節 現象学と解釈学 意味への問い
第二節 アリストテレスの受容 ポイエーシスとテクネーの視点から
第二章 『存在と時間』の思索圏
第一節 存在の意味への問しとテクネー
第二節 『存在と時間』の途絶へ
第三章 芸術と真理
第一節 道具と作品 エルゴンの分析
第二節 作品と真理
第三節 真理と芸術
第四章 性起の思索空間
第一節 性起
第二節 省慮 意味から真理へ
第三節 芸術と技術 第一の主題化
第五章 ニーチェとの対決 ニヒリズムの本質への問い
第一節 芸術をめぐるニーチェとの対決
第二節 永劫回帰思想 創造と瞬間
第三節 ニヒリズムの完成としてのニーチェ 
第六章 四方界と集立態
第一節 世界と物
第二節 技術の本質への問い
第三節 芸術と技術 第二の主題化
第七章 言葉と世界
第一節 思索と詩作
第二節 情報としての言語
第三節 家郷としての言葉
第八章 技術時代における可能性
第一節 放下と場所
第二節 芸術の可能性
結び

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秋富 克哉
1962年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程宗教学専攻学修退学。文学博士。フンボルト奨学生としてミュンヘン大学に留学。京都工芸繊維大学工芸学部教授。
著書に、『芸術と技術』『共同研究 共生 そのエトス、パトス、ロゴス』(共著)『再考 三木清』(共著)『日本発の「世界」思想』(共著)『続・ハイデガー読本』(共著)などがある。

目次

凡例
序章 問題の所在
一 主題「芸術と技術」について
二 「世界の意味」の問題連関から
三 本書の構成
第一章 意味と世界 思索の端緒において
第一節 現象学と解釈学 意味への問い
第二節 アリストテレスの受容 ポイエーシスとテクネーの視点から
一 生の意味から有の意味へ
二 古代ギリシアにおけるポイエーシスとテクネー
1) アリストテレスにおけるテクネー
2) プラトンにおけるテクネー
3) テクネーとロゴス
第二章 『存在と時間』の思索圏
第一節 存在の意味への問しとテクネー
一 『存在と時間』の根本意図
二 道具分析の射程
1) 有意義性と意味
2) 類落の構造
3) 無意義性、世界の無
第二節 『存在と時間』の途絶へ
一 時性の分析と残される問題
1) 時性とテンポラリテート
2) 根拠と無
二 『存在と時間』の問題性 ロゴスの視点から
第三章 芸術と真理
第一節 道具と作品 エルゴンの分析
第二節 作品と真理
第三節 真理と芸術
一 真理の本質
二 芸術の本質としての詩作
第四章 性起の思索空間
第一節 性起
一 由来としてのヘルダーリンの詩作
二 「応対」と「戦い」
第二節 省慮 意味から真理へ
第三節 芸術と技術 第一の主題化
一 三〇年代後半における「芸術と技術」
二 ビュシスとテクネー
三 政治的なものへの問い
1) 『ドイツの大学の自己主張』
2) 芸術、政治、技術
第五章 ニーチェとの対決 ニヒリズムの本質への問い
第一節 芸術をめぐるニーチェとの対決
一 芸術としての力ヘの意志
二 真理と芸術
三 作品と感性的なもの
第二節 永劫回帰思想 創造と瞬間
第三節 ニヒリズムの完成としてのニーチェ
一 大地の意味としての超人
二 家郷喪失性と家郷の創造
第六章 四方界と集立態
第一節 世界と物
一 物と四方界
二 真理から場所ヘ 芸術作品から物へ、応対と戦いから四方界へ
三 場所としての物
第二節 技術の本質への問い
一 現代技術の本質としての集立態
二 危険
第三節 芸術と技術 第二の主題化
一 転回としての「芸術と技術」
二 覚え書きの中の「芸術と技術」
第七章 言葉と世界
第一節 思索と詩作
一 解明と究明
二 世界、吻、言葉
1) トラークル 詩の場所の究明
2) ゲオルゲ 詩作と思索の隣接性
第二節 情報としての言語
一 情報言語とサイバネティックス
二 言葉における危険
第三節 家郷としての言葉
一 有(存在)の家
二 感性的な意味 家の友、ヘーベル
三 対話
第八章 技術時代における可能性
第一節 放下と場所
一 技術的世界に覆蔵されている意味
二 家郷の省慮
三 意味と場所
第二節 芸術の可能性
一 彫刻
二 絵画
1) クレー
2) セザンヌ
三 東アジア的芸術との対話
結び

あとがき
文献表