中公選書<br> 脳とAI 言語と思考へのアプローチ

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中公選書
脳とAI 言語と思考へのアプローチ

  • ISBN:9784121101259

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内容説明

はじめに
第1章 脳とAI
脳から見た問題解決のメカニズム――酒井邦嘉
数理工学の方法論――合原一幸
次の一手を決めるプロセス――羽生善治
鼎 談――酒井邦嘉/合原一幸/羽生善治
人間とAIの棲み分けと融合
「詰み」とレーサーの感覚の共通点
AIは大局観を持てるか
文脈と共感
機能の理解が課題
解 説――自然と人間――酒井邦嘉

第2章 AIは人間の脳を超えられるか
座談―酒井邦嘉/辻子美保子/鶴岡慶雅/福井直樹
これまでのAIブーム
自己組織化する脳とコンピュータの進歩
生成文法とAI
第二次AIブームと言語学
AIと言語学の乖離
人間が持つ生得的能力
脳のプリプログラム
自然言語処理研究の現状
学習するゲームソフト
AIのクリエイティビティ
シンギュラリティのその先
タAIを人間が手放さないこと
解説――想像力と創造力(酒井邦嘉)

第3章 チョムスキーと脳科学
対 談――福井直樹/酒井邦嘉
神経科学と言語学の接点
チョムスキーの生い立ちと人となり
チョムスキーと物理学
生成文法理論の誕生前夜
構造主義との決別
『統辞構造論』の思想的背景
反戦運動と生成意味論の時代
生成音韻論と理論物理学
「規則系としての文法」から原理とパラメータのアプローチへ
次の科学革命
解説――言語と思考(酒井邦嘉)
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てっき

1
書店で気になって買った本。中身は言語学(特に言語脳科学)と将棋の観点から、昨今の大規模深層学習モデルのAIに関して考察した座談会をまとめたもの。チョムスキーの理論をベースとしているので、おそらく異論反論は大いにあると思われるが、普段意識しない自身らの用いる言語の思考と生成型AIが出力する言葉との差を明確に理解するのには非常に役立った。また、将棋等でいわゆる直感や神の一手を産み出すのがリニアな思考だけではないことや棋士(羽生善治)がどういった思考プロセスを踏んでいるのかについての記述は極めて興味深かった。2024/02/26

どどんぱ

0
前半は将棋、後半はチョムスキーでした。基礎的な知識がないので、理解できないところがたくさんありましたが、だいたいのところの理解だけで楽しめました。2024/02/12

けん

0
幼児が短期間に言語を獲得できるのは、普遍的原理が生まれつき備わっている。2022/11/05

ハンギ

0
棋士の羽生さんのお名前があるので手に取ってみた。生成文法とAIと将棋が交差する本でした。羽生さんもAIとかかなり研究されているみたいでした。いま将棋は教師ありの機械学習から、教師なしのAI同士が戦って、データを蓄積をすることで、さらに将棋を解析していくみたいで、勉強になりました。後半部分はノームチョムスキーが紹介されていたり、なかなか満足感がありました。デカルト派が生成文法の先駆なんだ、タブララサではないんだ、という主張はまあ、そうだよなあと思う。AIの研究が進んで人間の脳がもっとわかるといいですね。2022/11/01

しゅうさく

0
AIが今後10年足らずで、今の生活を大きく変えると感じた。何が本質かということを見抜いて簡潔に表現することは人間がやった方がいいし、もしかしたら人間にしかできない。これからは問題発見が人間、問題解決がAIになる。AIは常識とらわれない選択肢を与えてくれる、それを取捨選択できる人になる必要があると感じた。2022/08/29

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