創元推理文庫<br> アーサー王ここに眠る

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創元推理文庫
アーサー王ここに眠る

  • ISBN:9784488516024

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内容説明

ブリテン島、紀元五百年頃。ひとりの司令官に率いられた、荒々しい騎馬の男たちの集団が農場を襲い火を放った。燃えさかる屋敷から、命からがら逃れたみなしごの少女グウィナは、奇妙な風体の男に救われる。鷹のような風貌の男の名はミルディン。ブリテン島の統一を目指す司令官、アーサーに仕える吟遊詩人だった。言葉を巧みに操り、人々の心を手玉に取る不思議な男。グウィナはミルディンのもとで、彼の企みに手をかすことになる。カーネギー賞受賞。『移動都市』の著者がアーサー王伝説を新たな視点から語り直した傑作ファンタジイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

137
伝説とはかの如く創られ、伝えられるものなのか。狭量で野卑なだけの、まるで盗賊の頭領のような男を聖なる王に。聖剣の授受の奇跡、聖杯の探索の旅、そして王妃と騎士の道ならぬ恋までも。真の卑小な姿を知る者でさえ、その物語こそが真実、と徐々に信じていく不思議。ひと、とは見たいものだけを見、信じたいものだけを信じる、のだろうかね。2022/02/16

さつき

71
襲撃により故郷を失った少女グウィナは吟遊詩人ミルディンに拾われます。ミルディンの紡ぐ言葉により英雄譚が生まれていく様はドラマティック。物語の持つ力を存分に感じられます。現実の粗暴で利己的なアーサーを知る人々さえも魅了する英雄の冒険には、ミルディンの切なる願いがこもっていました。戦いに明け暮れる男の世界も、噂話に満ちた女の世界も体験したグウィナの愛の行方はどうなるのか?道ならぬ恋のときめきも、血生臭い復讐も、末期の夢も…人の世の何と儚いことか。だからこそ人は物語を求めるのでしょう。2022/03/02

Chikara Tonaki

11
アーサー王がただのならず者共の親分で、その可能性にかけた吟遊詩人が、その紡ぎ出す物語と情報収集・操作能力で偉大な人物に仕立てあげようとする物語を、ひょんな事で拾われた少女の視点で描いてます。何というか、お話し自体は「アーサー王って、実際きっとこんなもんだったんだろうな」と思えるものなのですが、情景描写に惹かれて読み進めさせられました。他人にオススメするか?と問われたら否と答えますが、しばらくしたら読み返していそうな気がします。2021/11/22

璃龍

4
楽しく読みました。2024/09/14

もと

3
作者の後書きに映画「エクスカリバー」のことが書かれていて懐かしく思い出した。私もあの映画好きだったなぁ!映画館に2回見に行った。2022/10/04

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