双葉文庫<br> 刑事の慟哭

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双葉文庫
刑事の慟哭

  • 著者名:下村敦史【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 双葉社(2021/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575524833

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内容説明

新宿署の刑事・田丸は捜査本部の方針に反して捜査をして犯人を挙げたことがあり、厄介者扱いされていた。管内でOLの絞殺体が見つかったが、田丸は捜査の主軸からはずされてしまう。閑職に回されていた田丸は帰宅途中に歌舞伎町の人気ホストの刺殺体を偶然発見し、OL殺しとの思わぬ共通点を発見する。そのことを捜査会議で提案するが一蹴され、相棒の神無木と密かに捜査を行うことに――。ミステリー界注目の著者が送る感涙の警察小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

119
★★★★☆☆☆☆☆☆居場所を求める刑事が奮闘する下村敦史の長編。1年前に捜査本部に楯突き異端扱いとなった刑事・田丸。管内で発生した連続殺人の被害者の共通点に気付いた彼は、再び独自捜査を進めるが…。裁判員選定のプロセスは興味深く読んだが、当該事件の目撃者数人が裁判員の候補になるのは偶然が過ぎるし、その後の動機も強引な印象が否めない。孤高の刑事という設定は嫌いではないが、それにしては田丸の人間的な魅力に乏しいので、1年前の事件でなぜ田丸だけが真相に辿り着けたのかといったディテールも含めて掘り下げてほしかった。2022/12/12

オーウェン

57
田丸刑事は捜査陣の中で唯一反論して、真犯人を導き出す功績を残したが、そのせいで上司や同僚から疎まれる存在に。 そんな折起きた2件の殺人事件からある共通点を見つけ出すが、賛同を得られずに独自で捜査をすることに。 刑事ものだが、SNSによってはびこる不満などが堆積していく現代性。 そして裁判員制度の矛盾。 そういう風に限定していく中で犯人の姿が浮かび上がるが、田丸の孤独な魂が突き放してく部分と、報われる部分の救い。 続編が出来てもいいかも。2024/03/05

21
面白かった。過去の大手柄の影響で、警察組織の中で邪魔者扱いされる刑事の田丸。彼が邪魔者扱いされるのも納得いかないし、最後に選んだ選択が切なかった。裁判員制度や冤罪についてよく分かった。参考文献の多さも凄かった。2022/01/20

coco夏ko10角

19
新宿連続爆破事件と今の殺人事件がどう繋がっていくのかとどんどん読み進めた。ただでさえ裁判員裁判は選ばれたら大変だろうに、この事件は精神的負担も期間の長さもしんどいな。裁判シーンも真相が明らかになる流れも面白かった。あと主人公が天然人たらしでもイケオジでもない地味で冴えない感じのおじさんが泥臭く頑張ってる様子がよかった。2023/10/24

left7

18
2つの事件がどう繋がるかというところが大きなテーマで、細部に渡る捜査過程や刑事同士の関わりも面白いのですが、何と言っても主人公のキャラクターや人間関係や犯人逮捕に向けた自分の在り方に苦悩する姿がとても魅力的でした。自分が疎まれてもいいから真犯人を逮捕したいが近くにいる人は巻き込みたくないという中で下す数々の決断は胸を打たれるものでした。下村さんの作品にハズレなしです。2023/07/20

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