集英社学芸単行本<br> そこに工場があるかぎり

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集英社学芸単行本
そこに工場があるかぎり

  • 著者名:小川洋子【著】
  • 価格 ¥1,386(本体¥1,260)
  • 集英社(2021/04発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087816945

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内容説明

作家小川洋子氏による、おとなの工場見学エッセイ。あのベストセラー『科学の扉をノックする』の工場版ともいえる本です。幼いころから変わらぬ小川さんの好奇心と工場愛がじわじわ心にしみて、今、日本のものづくりに携わる人々と、繊細で正確な数々の製品のこと、あなたもきっと、とても愛おしく思うようになるでしょう!

目次

細穴の奥は深い(エストロラボ<細穴屋>)
お菓子と秘密。その魅惑的な世界(グリコピア神戸)
丘の上でボートを作る(桑野造船)
手の体温を伝える(五十畑工業)
瞬間の想像力(山口硝子製作所)
身を削り奉仕する(北星鉛筆)
あとがき
この本で訪れた工場

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

383
小川洋子さんの工場見学記。ある時は東大阪の「細穴屋」に、またある時は葛飾区の鉛筆工場へ。競技用のボートあり、オサンポカーありとバラエティにも富んでいる。この企画が成り立つのは、まず彼女のあくなき好奇心と探求心、そしてあくまでも相手を尊重して真摯に聞く能力、さらにはそれをエッセイに仕立て上げていく筆力とが必要である。そして、ちょっと惚けたような味わいと。まさに適任である。というよりも、もはや余人をもって代えがたいレベルである。語りの上からは、巧みな比喩と軽妙な擬人化に秘密がありそうだ。2023/10/12

KAZOO

160
小川洋子さんによる工場見学の話で楽しめました。結構面白い質問をしたりしています。いまは小学生など工場見学はないのでしょうか?私の経験ではお菓子の工場や新聞社(昔の活字や輪転機のあったころ)や万年筆の工場などを見学したことがあります。修学旅行というよりもこのような見学のほうがためになると思うのですが。社会人になってからもビール工場、製鉄所、チョコレート工場などを見学しています。2021/08/16

真香@ゆるゆるペース

149
図書館本。小川洋子さん初読み。細い穴を開けることに特化した会社(大阪)をはじめ、お菓子(神戸)、ボート(滋賀)、乳母車(東京)、ガラス管(京都)、鉛筆(東京)の6つの工場の現場を見学・取材したエッセイ集。いずれの工場も派手さはないものの、熟練した技術力を持つ職人の存在が不可欠。筆者のものづくりに携わる人々への敬意や工場への深い愛から温かみが伝わってきて、読んでいてとても心地良い。同時に、自分の身近にあるものをもっと大事にしようと改めて思った。文だけでなく、説明用の写真やイラストがあったら尚良かったかな。 2021/04/28

とろとろ

133
日本で作られる所謂純粋なメイド・イン・ジャパン製の、繊細で且つユニークなものづくりのすばらしさと美しさ、そこに携わる人々の思いを伝える珠玉の工場見学エッセイ、なんだと。「クール・ジャパン」か「美の壺」みたいな、そんな話が全6話。芥川賞作家が書いた文章はさすがに状況がよく判る。自分が知りたい事の好奇心と工場愛が溢れているってか。著者は少女時代にこうした町工場の周辺で育ったということなので「然もありなん」と思わせる。三浦しをんは博物館めぐりの本を書いていたけれど、工場めぐりの本というのも初めてで面白かった。2021/08/15

ぶち

121
小川洋子さんによる工場見学記です。でも、そこらの見学記とは一味も二味も異なっています。後書きに「工場への思い入れを、本の形にして記したい。子供の私が味わったあの瑞々しい体験を、作家になった今の自分の言葉でよみがえらせてみたい。」とあるように、この見学記の小説作品のような文章のたたずまいが素敵なのです。 ものづくりの現場を目の当たりにして、驚異の念に打たれ、しみじみ感動する小川さんの文章を読めば、誰でも日本のものづくりに携わる人々と製品を愛おしく思うようになります。2021/06/20

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