実力も運のうち 能力主義は正義か?

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実力も運のうち 能力主義は正義か?

  • ISBN:9784152100160

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内容説明

ハーバード大学の学生の三分の二は、所得規模で上位五分の一にあたる家庭の出身だ。にもかかわらず、彼らは判で押したように、自分が入学できたのは努力と勤勉のおかげだと言う――人種や性別、出自によらず能力の高い者が成功を手にできる「平等」な世界を、私たちは理想としてきた。しかしいま、こうした「能力主義(メリトクラシー)」がエリートを傲慢にし、「敗者」との間に未曾有の分断をもたらしている。この新たな階級社会を、真に正義にかなう共同体へと変えることはできるのか。超人気哲学教授が、現代最大の難問に挑む。解説/本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

127
《成功者への単なるお説教ではない》本書を、社会的成功者に対して「あなたの『成功』はご両親が提供してくれた教育や生活環境や運による所が大きく、あなた自身の努力によるものは実は小さいものに過ぎない。だから社会的に不成功とされている人たちへの態度を改めなさい。」と言うような一種のお説教とだけ受けとると本質を見誤ります。社会的成功を「本人の努力によるもの」と見誤らせがちな社会的背景、取り分け銘柄高等機関の院卒などの学歴がもたらす地位報酬への正当化などに焦点を当て、学歴への競争から端から圏外にいる(1/2)2021/12/26

R

113
能力主義という主張が生み出した、現在アメリカのゆがみと思考の変遷を解説することで、真の平等とは、目指すべき正義とはと問いかける本でした。非常に面白い。地位や金銭を得る資格が能力に起因するという考えが、それを得ていない人は努力が足りないと断じている現状、しかし努力では最早打破できない実情との乖離が、現代アメリカの混迷、エリート批判の根幹をなすのではという指摘だった。平等が機会を表すものならば、名門大学に入るというイベントに、一定水準以上の母集団からくじ引きでという解決は、興味深いと思った。2021/09/06

ひこうき雲

87
いやいや、何か納得がいかない。確かにスタートラインは違うかもしれないけど、恵まれた境遇を活かす努力も必要では。人一倍勉強してるのに低学歴の人はあまりいないと思う。努力をするか、しないかすら、生まれたときに決まっているとしたら、この本に書かれていることは受け入れよう。もちろん、謙虚な姿勢を忘れずにね。ただし、そうすると、人間の意思の力は何処に行った?2021/06/26

速読おやじ

84
「努力と才能で人は誰でも成功できる」というメリトクラシーは身分で将来が決まっていた貴族社会をなくし、誰もが平等な機会を得られる・・のではなかったのだ。成績、学歴、稼いだ所得によって選別される。結局また不平等が起きる。稼いだ金額が大きい人が社会的に優れているのか?サンデル氏は「共通善」という考え方を持ち出す。所得が高いのはたまたま運が良かっただけであって、それが人の優劣を決めるものではない。そうでないと頑張れなかった人は価値がないのか?という事になってしまう。かなり感銘を受けた。どの主義主張の人にもお勧め。2022/01/16

泰然

79
我が国で自己啓発セミナーが流行したのは新自由主義経済潮流の躍進期だったと思う。与えられた現実の枠組みを絶対のものと認め、最大限効率性の拡大に努める。自己開放を目指す一方、結果は自己責任。道徳や善へのコミットはなし。本書で述べられる「能力主義」(メリトクラシー)を読むと、貴族制や差別などの社会的不正義を打倒してきた能力主義の魅力に惹かれる一方、その副作用たる「分断」の悪夢から逃れるために個別主義を進める現代市民の痛々しい構造の背景が見える。自分の能力は全て自分の所作に因らない、という精神を私達は持てるのか?2021/05/15

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