内容説明
殺人の予告状は、三通目、四通目と続いた。いずれも宛先はバルバロッティ。彼にはまったく心当たりがなかったが、予告状の件をマスコミに嗅ぎつけられ、自宅に押しかけてきた記者に暴行の被害届を出され、捜査から外されてしまう。そんなバルバロッティを嘲笑うかのように、五通目の予告状には彼のファーストネームと同じ「グンナル」の名が……。さらにバルバロッティの元に送りつけられた手記には、驚愕の事件が記録されていた。二転三転する事実が読者を翻弄する、スウェーデン・ミステリの名手の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
103
あまりにも唐突に事件が解決してしまい何も感じられずに終わりました。予告された殺人とムステルランの手記が良かっただけに残念な印象です。どうせなら取り調べまで書いてくれたら面白かったのになぁと思いました。事件は解決はしましたが何だか中途半端な気持ちです。 2021/06/25
のぶ
88
下巻に入り、事件の発生から具体的な捜査に入る、バルバロッティは懸命に捜査にあたるが、先は全く見えず、逆にマスコミに嗅ぎつけられ、押しかけてきた記者に乱暴をはたらいたと捜査から外されてしまう。そして五通目の犯行予告状が送られてきて、そこにはバルバロッティの名前が記されていた。一応に面白い作品ではあったが、上巻に比べスピード感も落ち、サスペンス度もトーンダウンした感じがした。この作家を初めて読んだが、まだ日本で紹介されているのは数冊。未訳が数十冊もあるようだ。翻訳されたら何冊か追いかけてみたい。2021/05/03
うまる
39
まさかの署内安楽椅子探偵爆誕!物語の結末より、このドッキリに全部持ってかれたわ~。とはいえ、真相が主人公の生活や手記の雰囲気で目くらましされていて面白かった。また騙された悔しさ半分、斬新なしかけがなくても読ませる作品は出来るんだなという感心半分。総合的には主人公周りの話が好きで楽しく読めたので、シリーズの前後作も出してほしいです。 推理のポイントが説明されなかった所は残念。邪悪の根源を受け入れたのがカタリーナで、それを海に落とす所なんかは暗示的だけど。創元さん、ご教示願います!3ポイントでどうですか。2021/09/17
かめりあうさぎ
30
予告殺人は止まらず、犯人の輪郭さえとらえられない警察。そしてなんと時折挟み込まれていた『殺人者の手記』が警察に送られてきた!そこから…まさかの人物に天啓がひらめく。うぉい!と突っ込みたくなる心境。手記の意義などは面白かったけど、謎解きのネタ晴らしも少し中途半端でモヤモヤが残る。これはもう一度しっかり再読しないといけないですね。2021/06/15
ばんだねいっぺい
28
なるほどなぁ。でもまあ、物語の数としては得したのかもしれない。また、冴えない中年男がやってきたには、吹いた。名コピー過ぎる。翻訳者の先生方には、ぜひ、残り40作を翻訳していただきたい。2021/04/29