内容説明
「エリック・ベリマンの命を奪うつもりだ。お前に止められるかな?」バルバロッティ捜査官が休暇に出かける直前に届いた手紙に書かれていたのは、殺人予告ととれる内容だった。悪戯かとも思ったが、無視することもできず、休暇先から署に連絡して調べてもらう。だが同名の人物が五人もおり、警察は半信半疑でいるうちに、一人が遺体で発見されてしまう。予告は本物だったのだ。急いで休暇を切り上げたバルバロッティの元に新たな予告状が届き……。スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀賞に輝く傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
115
まだ上巻を読み終えたばかりだから何とも言えないのだけど、予告状が届けられて捜査しているストーリーの合間に挟まれる「ムステルランの手記」が不気味だ。ムステルランの手記の「わたし」は一体誰なのか?きっとその人物こそが犯人なのではないかと思う一方で、それでは安直すぎるだろうと思って読んでいます。それにしても溺死してしまったトロエが可哀想だ。2組のスウェーデン人カップルが誰も見ていないからと言ってトロエの溺死を隠そうとするなんて信じられないよ。下巻ではどんな展開になっていくのか期待しています。2021/06/20
のぶ
88
まだ上巻を読む限りだが、大変読みやすく面白いミステリーだ。主人公はスウェーデンの警察官の警部補、グルナン・バルバロッティ。恋人と休暇に出発する直前に、「エリック・ベリマンの命を奪うつもりだ」と殺人予告の手紙が届く。警察で調べると同名の人物が5人いた。そうしているうちに一人が遺体で発見される。予告が本物であることが分かり、バルバロッティは休暇を切り上げるが、新たな殺人予告が3件届き、その度毎に犠牲者が積み重なっていく。上巻では殺人予告の目的や犯人は全く分からない。先が気になるので、早々に下巻に入ります。2021/05/02
うまる
38
名指しの殺人予告事件に殺人者の手記(主に過去)が挿入される構成。主人公も捜査陣も元気で明るいからか、変な事件が起きてる割に緊迫感が感じられないのが難点。けど現代のアクティブな感じが、手記の人物の人間味の薄さ、のっぺりとした異様さを際立たせているように思います。これといって斬新さはないですが、続きが気になる事は確か。下巻でどう決着が付くかですね。 本筋からは逸れますが、神様にポイント制度を適用する独特の信仰心が面白かったです。特定の信仰などないので、わたしもやってみようかな。下巻へ🐕2021/09/16
かめりあうさぎ
29
初読み作家さん。とある刑事の元に一通の殺害予告手紙が届いた。いたずらかと躊躇しているうちに予告通りに殺人事件が発生、そしてそれは連続していくのだった。果たして犯人の目的は…。現在の事件の間に時々『犯人の手記』が挟み込まれる構成。この手記が実際どういう位置づけになるのかまだ全然分からないのですが、真相が楽しみ。下巻は。2021/06/15
しましまこ
24
犯罪捜査官の自宅に次々と届く殺害予告、防げない殺人。合間に挟まれる犯人らしき者が綴る手記ー5年前の海辺のバカンス。仕掛けがありそうな気配なんだが、警察側にあまり緊迫感がなく読むのが辛いよ。