幻冬舎単行本<br> ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと

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幻冬舎単行本
ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと

  • 著者名:五十嵐大【著】
  • 価格 ¥1,386(本体¥1,260)
  • 幻冬舎(2021/02発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344037380

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内容説明

「誰もが生きやすい世界は、いろんな境界線が混ざり合った世界だと思う」
耳の聴こえない両親から生まれた子供=「CODA」の著者が書く
感涙の実録ノンフィクション!

もしかすると、ぼくは母親の胎内にいたとき、国に“殺されて”いたかもしれない――。
そう考えると、いまこうして原稿を執筆できている状況が、まるで奇跡のように思えた。2018年9月、衝撃的なニュースを目にした。ろう者である兵庫県の夫婦2組が、国を相手取り訴訟を起こしたのだ。
その理由は、旧優生保護法による“強制不妊手術”。旧優生保護法とはいまはなき法律で、その第1条には「不良な子孫の出生を防止する」と記されていたという。
障害があることで、差別を受ける。これは絶対にあってはならないことだ。健常者のなかには、障害者をことさら特別視する人たちがいる。それが悪意のある差別や偏見として表出することもあれば、過剰な親切心という逆説的なカタチで表れてしまうこともある。
けれど、忘れないでほしい。障害者は別世界の人間ではない。ぼくら健常者と同じ世界に生き、同じように笑い、怒り、哀しむ、ぼくらの隣人なのだ。ただし、ぼく自身がそう考えられるようになったのは、大人になってからだった。幼少期の頃のぼくは、障害者、特にろう者のことを嫌っていた。
そう、かつてのぼくは、母のことが大嫌いだったのだ――。(本文より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

95
著者の思いが熱く伝わるノンフィクション。「耳の聴こえない親」に育てられた「耳の聴こえる子ども」=「CODA(コーダ)」。著者はまさに当事者で自らの生い立ちから現在までが綴られている。周囲とは違うことから受ける出来事はもちろんだが、当時の感情を思い出して書くのはどれほど辛かったことだろう。それは確実に読者に届いていると感じられる力作。著者初小説の『エフィラは泳ぎ出せない』が良かったので探してみた作品。こちらもすごく良かった。2022/10/31

ゆみねこ

93
丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス」でコーダと呼ばれる子供たちのことは知っていましたが、この作品の著者・五十嵐大さんはコーダ。当事者でなければ書けないことを分かりやすく綴っています。お母さんの愛情と著者の気付き、良い本でした。2021/07/25

ゆみきーにゃ

90
読友さんの感想を読み気になった一冊。揺れ動く自身の想いが痛いほどに伝わってきてすごく良かった。丸山さんのデフヴォイス読まなくちゃ!希望ある終わりで更にいい。2021/11/20

ひらちゃん

85
お母さんが好きなのに傷つけてしまう。コーダでなくてもあります。だけど、コーダである孤独に、どちらの世界にも属せないと考えてしまう孤独に、胸が潰れそうになりました。お母さんの過去を知ってからの気持ちはもっといたたまれない。五十嵐さんのお母さんの大きな大きな愛情に言葉もありません。深くて温かくて強くて素敵なひとです。そしてもう1つ、大切なこと。「私たちから出来ることを取らないで」と言ってくれた彼女に頭が下がる思いです。きっと私も同じようにしてしまうと思うから。ほんとにね、共に生きようが一番です。2021/04/04

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

70
「コーダ」によるこれまでのコーダとしての人生の振り返りの記録です。コーダは「聴こえない親を守りたい」という肯定的な気持ちと「聴こえない親なんて嫌いだ(いじめを受けたりする)」という否定的な気持ちを揺れ動きます。親を疎ましく思うという子供時代を経て今は聴覚障害者について広く発信する著者の生の声でまた少し理解が深まりました。2022/09/25

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