講談社文庫<br> 変身願望

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講談社文庫
変身願望

  • 著者名:西村京太郎【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2020/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061835177

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内容説明

元国務大臣は、なぜ浮浪者になって凍死したのか? 抜群の着想が光る人気作家の異色作集。人間のロマンと背中合わせの恐怖を描く――晩秋の上野公園で、浮浪者が凍死した。今年第1号の凍死者と新聞が報じたことから、その素性が判る。意外や、大臣経験もある有力代議士だった。なぜ彼が浮浪者に? 上司の密命で、十津川警部は真相を追及する。すると、またも奇妙な変死事件が発生して……。多彩にミステリを書き分ける当代の人気作家が、短編の妙を展開した秀作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

124
西村京太郎さん追悼での読了。やはり社会派初期作品が面白い♬テーマはバラバラながら9つの短編を実にシュールに読ませてくれる。誰もが持つ羨望や魂胆や魅惑なんて内面が様々な犯罪として表れる。一時は満足や期待から浸る愉悦からラスト一気に焦燥や恐怖のドン底に落とす斬れ味抜群!表題作で十津川警部登場の「変身願望」は成功者の謎の変貌に注視させた上で、人間の心理の浅はかさに結び付けるのには驚かされた。たった3ページの最終篇「アリバイ」のストレートな引っ掛けも見事!でも一番はまさかのSF展開「アンドロメダから来た男」(笑)2022/03/15

papako

60
西村京太郎さんの訃報をうけて積読本から。西村京太郎さんの初期から作品がお気に入りですが、短編ものを選んでます。こちらも風刺と皮肉の効いた短編集でした。人の心理の怖さを描いたものが多く、バリエーション豊富です。ショートショートのような読み心地かな。十津川刑事の出てくる表題作、殺人の動機は弱いけど、人の変身願望がうまく使われてた。『回春同盟』人は恐怖から危険に落ち込む、これは確かに。これは落とし方が好き。『隣人愛』もなかなか。『アンドロメダ』ふふふ。『チャリティ』うーむむむ。うん、どれもよかった。2022/03/11

浅木原

4
9編の初期短編集。ベストは文句なく「アカベ・伝説の島」で、『鬼女面殺人事件』や『幻奇島』のいいところだけをまとめた〝孤島の論理〟ものの秀作。「南神威島」と同じく、短編で殺人事件を絡ませない方が上手くまとまりますねこのテーマは。それ以外の8編はわりとよくあるワンアイデア短編という感じで、オチにもう一工夫欲しい話が多いけど、全編に漂うイヤな感じが素晴らしい「チャリティゲーム」、今じゃこのネタは成立しなくなってしまった戦争もののブラックな小咄「殺しへの招待」あたりがいい感じ。総合的にはまずまずの佳作短編集。2015/12/07

ビスコ

3
西村京太郎先生の、言わば初期短編集。表題作「変身願望」と、続く「回春連盟」は十津川警部シリーズ(正確には「回春連盟」は十津川刑事だけど)、他はノンシリーズ。何れも、ブラックユーモアのある結末があり、十津川警部シリーズとは一風変わった感覚で楽しめる。一応はSFである「アンドロメダから来た男」や、ショートショート「アリバイ」もあるので、十津川警部シリーズとは異なる西村京太郎作品を楽しめる。 「アカベ・伝説の島」のオチが痛烈で、個人的ベスト。2014/11/25

TEDDY曹長

1
西村氏の初期の短編集。軽く読めるのでおすすめですし、いわゆる十津川警部シリーズとは違うタイプの作品なので、新鮮味もいまだ持ってる本です。でも、自分もために普段とは違う自分になってみたいと思ってしまうんですよね(笑)2013/04/27

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