暗闇にレンズ

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紙書籍版価格 ¥1,870
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暗闇にレンズ

  • 著者名:高山羽根子【著】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 東京創元社(2020/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488028121

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内容説明

「わたしたちが今、持つことが許されている数少ない武器の中で、一番強力なものはレンズだ」高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。かつて「わたし」の母や、祖母や、曾祖母たちがしてきたのと同じように。その昔から、レンズがうつした世界の一部は、あるときには教育や娯楽のために、またあるときには兵器として戦争や弾圧のために用いられてきた――映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた“一族”の物語。「首里の馬」で第163回芥川賞を受賞した高山羽根子・渾身の書下ろし長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

113
光と影でしかない映像、それは幻想であるが現実のようでもある。それに準えるように、全て創作なのにあたかもノンフィクションのような細緻な偽史とフィクションのドラマが交差する特異な物語を堪能した。そして映像技術の進歩と共に変化を見せる人間社会を描く叙事詩を読み切った愉悦感も残る。波瀾な人生までも代々受け継いだ女性たちが映したもの、それは世の中という物語との戯れと祈りだったのかもしれない。彼女らの奔放に世界を写し撮る感性の瑞々しさは、映像が発する魔法のような驚きと楽しさの原点を思い出させた。それは幻ではないはず。2020/10/09

アキ

87
芥川賞作家の最新刊。親子3代にわたる映像の物語。SideAでは現代の高校生2人にまつわる映像に関する物語を、SideBでは1898年初めて日本に幻灯機が入ってから未来に至る道筋を3部に分けて、フランスに渡った照と、1924年ドイツ記録映像にかかわる未知江と、1945年からひかりの物語で描き、最後にAB両サイドが交わるところで終える。そこまで映像技術が、軍事利用されていたとは知りませんでした。最新技術は軍事技術の転用が多いですね。現代は至る所にレンズがある社会。およそ120年の変遷する世界を旅してきた気分。2020/11/07

Vakira

64
五感の中で一番早く感じる事が出来る感性。それは光の速さで感受する視感だ。約4km先(地平線まで)の情報を瞬時に知れる。視感でこの世界を知ることが出来る者が生き残れる。人類はそれで繁栄してきた。そして去り行く時間を切取り残す技を発見した。現実の瞬間を2次元として。紙としては写真だし、スクリーンやディスプレイでは映像となる。その1コマ1コマを連続させれば動画だ。ドキュメンタリーであれ、それに演出を入れた映画であれ、多くの人はその映像に心奪われ酔いしれる。今ではスマホとしてなくてはならない生活の一部に。2020/11/12

pohcho

59
監視カメラだらけの街に生きる女子高生二人。明治時代、横浜で娼館を営む家に生まれた少女・照から始まる、代々映像に関わってきた女性たち。二つの物語が交互に語られ後につながる。必ずしも血のつながりはないけれど、家族として続いていく女性たち。彼女たちにとっての映像は生きる糧であり、やがて武器になり、そのために命を落とす人も。その数奇な運命と不思議な物語に引き込まれた。映像兵器の話は不穏。偽史とのことだが、本当だったらと思うと恐ろしい。最後はよくわからなかった。つかめそうでつかめない、もどかしい気持ちが残る。2020/11/05

八百

44
ありえない!とは一概には言い切れない…くらいの優しいツッコミが出来るのが娯楽の王道でありその余地すら残ってないのであればそのSFはサイエンスフィクションではなく壮大なフェイク。例えば小学生がいたずらで拡散した動画に何かが含まれておりそれが原因で地球は滅びる…そんなことができる端末を誰もが所有する時代の危うさを描くのならばその映像兵器の部分をもっとリアルにしないとダメなんじゃない?あれこれ詰め込み過ぎてまとまりがなく無駄に長くなった、そしてなりより首里の馬のようなしてやられた感がなかったことがなんとも残念2021/02/11

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