内容説明
謎の女子小学生、剛腕で大事件を解決する!
総理大臣が巨額を支払い、某国から手に入れた日本に足りないもの。
スパイ天国と言われる日本に初めて立ち上げられた超極秘諜報組織、その名はヒメ機関という――。
北杉並警察署の生活安全課に配属されている32歳の片山修也巡査部長は、ある事件がきっかけで、署内一、いや東京都区内で最も無気力になったと言われる私服警官だ。
その片山に辞令が下った。
新たな所属部署は、警視庁総務部第八別室。早速、異動先へ顔を出した片山の目に入ってきたのは、想像を絶するふたりの人物だった。
警視庁の裏金12億を横領し、ホステスに貢いだ、“ミスター総務”とまで呼ばれたキャリア組のエリート・美波晃一。そして、7、8歳にしか見えない超絶美しい少女の八代ヒメ。
あまりの驚愕に自己紹介もし損ねた片山は、早くも、警視正という信じがたい階級のヒメに連れ出される。
しかも、現場に向かう車両はただのパトカーではなく、超高級スポーツカー・ホンダNSXだ。
ほどなく現場に到着、ヒメに命じられた片山は、トランクに収納されていた大きな楽器ケースを引っ張り出した。その直後、片山は信じられないものを見る――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
26
★★☆☆☆第2回警察小説大賞最終候補作。失礼ながら小学生刑事なんて聞くとつい山上たつひこの『がきデカ』を連想してしまうのだが、全然失礼じゃなかった。身長115cm7歳の女の子がジェームズ・ボンド並の凄腕スパイで、今は警察で働いている。総理大臣の肝入りで毎年100億円の予算がつく。うーん、どこから突っ込んだらいいのか…麻薬事件には悲しい過去が影を落としている様な書かれ方だがそれも取ってつけたようで白々しい。兎に角先日読んだ『対極』と言い警察小説大賞が懐の深い賞だということは分かったがもう信用しない。2020/11/13
うまる
24
小学生の刑事かつスパイというかなりネタな設定だけど、それを活かしてやりきってるので楽しかったです。主人公の過去や室長のエピソードも面白い。ハードボイルドならタバコをふかす所、キャンディ食べるのとか好きだわ。少女だからできる学校潜入も見所でした。続編あったら読みたいです。2023/09/06
羊山羊
12
始まってソッコーで幼女が銃をぶっ放してヤクザを狙撃する。大男の脚を蹴りで粉砕する。マトモな思考を放り捨ててそういうテイで読みすすめると、フッと頭に浮かんでくるのはその昭和の刑事小説のノリに対する郷愁、の二文字だ。そんな幼女刑事をサポートするのは無気力刑事片山修也。今どきの若者と同じ視点から通してみるスピレインやウェストレイクの小説の主人公そのもののメイの快刀乱麻ぶりは、懐かしいながら独特のラノベ感があって、こういう小説もあるべきだな、と 妙に腑に落ちた。賛否あるけど僕は気に入りました。2021/01/18
kitten
12
図書館本。タイトルだけみて借りた。自称七歳の警視正、ヒメが007な活躍をする話。警察小説というにはぶっ飛びすぎで、スパイ、アクションもの。原題は幼女刑事だったらしいが、おそらく大人の都合でタイトルが変わったんだろう。年齢的に想像しやすいのは名探偵コナンになるかな。見た目は子ども、頭脳は殺し屋。でも、面倒をみる片山とのやり取りが楽しい。続きが出たら読んでみたいな。評価、星32020/11/15
みいやん
11
第2回警察小説大賞最終候補作。第1回の受賞作品でも感じたが、ずいぶんと間口の広い賞のようだ。 現実離れしたぶっ飛び具合と、ヒメと片山の仲は楽しませてもらった。受賞作「対極」も読まねば。2020/12/08