内容説明
韓国で130万部、映画化された『82年生まれ、キム・ジヨン』著者の次作短編集。「次の人」のために立ち上がる女性たち。
目次
はじめに
第1章 それでもずっと、ときめきつづけていられる
二番目の人
ナリと私
彼女へ
若い娘がひとりで
私の名前はキム・ウンスン
大観覧車
公園墓地にて
第2章 私はまだ若く、この闘いは終わっていない
離婚日記
結婚日記
インタビュー──妊婦の話
ママは一年生
運のよい日
彼女たちの老後対策
声を探して
もう一度かがやく私たち
第3章 はあちゃん、けんきでね
調理師のお弁当
運転の達人
20ねんつとめました
母の日記
ジンミョンのお父さんへ
ばあちゃんの誓い
第4章 たくさんの先が見えない道のなかかすかな光を私は追いかけてる
浪人の弁
また巡り逢えた世界
老いた樫の木の歌
長女ウンミ
公転周期
十一歳の出馬宣言
エピローグ:78年生まれ、J
日本の読者の皆さんへ
訳者あとがき
解説 82年生まれ、A 成川彩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッディ
125
セクハラ上司とそれを隠蔽しようとした会社を訴えた女性、選んだウェディングドレスや新居のカーテンの色にも注文を付けてくる姑と庇ってくれない夫に離婚を突き付けた新妻など、代名詞ではなく、名前を持つ一人の女性として声を上げ、辛い思いをするかもしれない女性のために声を上げた28編の物語。「82年生まれ、キム・ジヨン」で語られた韓国社会で虐げられる女性達の声を集めたドキュメント。日本以上に旧態依然とした男尊女卑が残っていた韓国も、彼女たちの声によって、ジェンダー指数で日本を上回ったことを我々は考えなければならない。2021/09/25
mariya926
119
色々な女性としての苦悩が書かれています。読みながらきっとそうなんだろうなと思う内容。あまりニュースを見ていないので梨花女子大学で2016年に大学でデモが起こっていたなんて知りませんでした。少しずつ文化が変わっていっている間にいる私たちが描かれています。2023/07/17
fwhd8325
116
似ているようで全く違う。隣の国だけどそこは遠い国のようだ。どの物語も短いが内容は重く濃い。第1章を読んだだけで胸が苦しくなうような思いでした。著者は「82年生まれ、キム・ジョン」で衝撃を与えたが、ここでもたくさんの問題を提起している。日本でも同じような問題があるはずなのに、声があがらない、動かない。ジェンダーとしての問題ではなく国際社会の一員としての問題だと思う。日本が取り残されていくようで怖い。2021/06/14
lily
116
映画ライターの紹介した韓国映画は全て私のお勧めでもある。韓国人の女性は強い。闘うことを躊躇うことはしない。日本でも100万人の蝋燭集会は無理でもストライキくらいしてもいいのに。韓国より日本の方が現状は酷いのに。韓国では給料の為ではなく言論の自由の為のストライキもあるのだよ。2020/10/29
モルク
99
「82年生まれキム・ジヨン」の著者による28の短編集。キム・ジヨンは差別の理不尽さを説くがそれに耐えていた女性であるのに対し、本編に出てくる女性たちは差別、セクハラ、パワハラ、モラハラなどに立ち向かっていく。とても逞しい。いろんな理不尽な思いの中、かつてはそれを仕方ないと受け入れていた自分がいた。でも私達が若い頃はもっと酷かったと被害者面で言う年配者にはなりたくない2023/04/14