月のケーキ

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月のケーキ

  • ISBN:9784488010997

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内容説明

月のケーキの材料は、桃にブランディにクリーム。タツノオトシゴの粉、グリーングラスツリー・カタツムリ、そして月の満ちる夜につくらなければならない……「月のケーキ」。幼い娘が想像したバームキンを宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のないバームキンがひとり歩きしてしまい……「バームキンがいちばん!」。ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手による幻想的で奇妙な味わいの13編を収めた短編集。/【収録作】「月のケーキ」/「バームキンがいちばん!」/「羽根のしおり」/「オユをかけよう!」/「緑のアーチ」/「ドラゴンのたまごをかえしたら」/「怒りの木」/「ふしぎの牧場」/「ペチコートを着たヤシ」/「おとなりの世界」/「銀のコップ」/「森の王さま」/「にぐるま城」/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

99
幻想的でどこか淋しいファンタジー短編集。悪い人がこらしめられる童話のような展開はあるが、善い人に幸運が降って湧いてくるようなことはない。まるで、与えること、それが何よりの幸福であるかのように。原文が良いのか翻訳が良いのか、簡潔な表現に必要な情報が込められていて、わずかな一文で登場人物の人となりがわかったり、ほのかなユーモアが感じられたりと、非常に良い文章だと思う。語彙の少ない子供でも読みやすそうだが、物語の質は「子供向けにレベルを下げて書くような真似をしていない」という訳者あとがきの通りで、素晴らしい。2021/10/14

ゆのん

93
13編から成る短編集。『月のケーキ』というタイトルといい、表紙の絵といいファンタジックな雰囲気満点で手に取り読んでみるとどの話も一筋縄ではいかない話ばかり。魔法や奇跡、ドラゴンやサンタクロースなど一見ワクワクするファンタジーの様に思えるが、チェーン展開するスーパー、警備システム、土地開発、観光事業、相続問題という現実的なバックがある。更に幾つかの物語には死の匂いさえ漂う。世界は広く、夢や希望に溢れているが、現実はそんなに甘くないという事なのか。ホラーとは違う恐怖を感じる。何とも言えない独特の読後感。2202020/09/28

吉田あや

89
どこかしらに不思議が介在する色とりどりの短篇たち。特にお気に入りなのが、ミステリーのように先の展開にドキドキさせられる、月の満ちる夜に作られる「月のケーキ」。情報操作の怖い側面を面白くも辛辣に炙り出す「バームキンがいちばん!」。仲良しの孫に愉快な友だちと、クスっと笑っちゃうイタズラを遺して旅立ったおばあちゃんの「オユをかけよう」。なんにでも「オユをかけよう!」と言うオウムのフォッズの飄々とした可愛さと、姿なき後も繋がる想いの温かさが、2020/05/26

榊原 香織

78
魔法が効く3つの条件ー雨が降っていること、金曜日であること、前の晩にある夢を見ること   月のケーキておいしそう、でも材料を聞くとちょっと・・サンタのための本格クリスマスプティングはマジ美味しそう  不思議な味わい(淋しさ少々)の短編集2020/11/13

☆よいこ

76
良質なホラーファンタジー。エイキン童話▽[月のケーキ]時間を戻したい[バームキンがいちばん]商売[羽根のしおり]母の死[オユをかけよう]オウム[緑のアーチ]兄[ドラゴンのたまごのかえしたら]やんちゃ[怒りの木]蹄鉄のジョン[ふしぎの牧場]ボグルの地[ペチコートを着たヤシ]祖父の時計[おとなりの世界]りんごの呪い[銀のコップ]クリスマスプディング[森の王さま]少女イェナは自由に[にぐるま城]ヴァイキングから守る魔法▽バームキンは読むべき。名作短編がたくさん!良本。2020年刊2024/10/30

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