タイのかたち

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タイのかたち

  • 著者名:赤木攻
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • めこん(2019/12発売)
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  • ISBN:9784839603182
  • NDC分類:302.237

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内容説明

タイは「外来人国家」である。タイには「タイ人」はいない。誰が「タイ」をつくったのか? なぜ? どのようにして? 謎が次々に明らかになり、不明瞭な「タイのかたち」がはっきりと見えてきます。タイ研究の第一人者である著者の長年の研究と考察が明快なタイ論として結実しました。

目次

序章 タイにはタイ人はいない

第1章 地政学的背景
      ほどほどに豊かな自然
      海路と陸路の交差点
      多様な民族

第2章「スコータイ神話」
     スコータイと「スコータイ」
     「スコータイ」の誕生は二〇世紀
     シャム危機:パークナーム事件
     絶対王政批判とラーマ六世
     人民党革命
     「スコータイ」の揺らぎ

第3章 三つの世界
1「サヤーム世界」/「外来人国家」
(1)アユッタヤー
     権力の核心と統治システム
     王室独占貿易と「外来人」
     日本人反乱
     マッカサン反乱
     華人反乱
     交易による受益者
     「外来人国家」
(2)「クンナーン」
     「クンナーン」とは
     身分表示装置
     数と実態
     「クンナーン家系」の形成
(3)アユッタヤーの街
     市場の数と場所
     市場の商品
     ハーフの世界
(4)ムスリムの故郷
     初期の外来ムスリム
     出身別居住
     ナーラーイ王へのムスリムの貢献
     ムスリム勢力の拡大と定着
(5)スコータイ王朝による乗っ取り?
     スコータイ王朝:リタイ王まで
     ウートーン王とリタイ王の奇妙な友好
     基底に姻戚関係
     アユッタヤーを支えたスコータイ
     側室が密通相手を王に
     乗っ取り?
(6)「アヨータヤー」
     王権と三種の宝器
     王権の由来
     パナンチューン寺とタムミッカラート寺
     婚姻譚:サーイ・ナムプン王物語
     ナーイ・ナ・パークナームの見解
     「アヨータヤー」こそ、タイの故郷?

2タイ世界/ムアン
(1)身分制社会
     労働力管理システム
     「プライ(平民)」と「ムーン・ナーイ(組頭)」
     奴隷
     「栄典(栄誉)」誇示
     相互の関係
     請負関係
(2)「民衆反乱」
     代表的「民衆反乱」
     反乱の性格:アユッタヤー時代
     反乱の性格:バンコク時代
     「タイ世界」の役割
     「民衆反乱」と民族意識

3マレー世界/海賊基地
(1)パッターニー:交易、女王、海賊
     パッターニー前史
     四人の女性国王
     海賊王国?
(2)「小クニ」
     公定文化と民衆文化
     「大クニ」と「小クニ」
     「小クニ」の誕生
     極小社会
     クルン―「大クニ」―「小クニ」

第4章 「チャート・タイ」の創出
1強大な王権
  (1)現人神
     王室典範
     王室典範の核心
     現人神
(2)王統
     精神錯乱
     『タークシン王の謎』
     王統との衝突
     メン王子
     なぜ「チャオファー(王子)」なのか
     メン王子生き残る
     メン王子謀反事件と処刑
     捏造
(3)王族
     王族と序列
     王族と官職
     人材としての王族

2「タイ化」
(1)労働力の解放と身分制の解体
     アユッタヤー陥落の影響
     徴税システムの整備
     労働力の自由化
(2)国民国家形成に向けて
     他決的領土
     「チャート・タイ(タイ的価値)」の創出
     王権の強化と「ラック・タイ」
     「借景国家」
     タイ化」とタイ語
     「外来人国家」からの脱皮
     不可解極まる「ラームカムヘーン王碑文」
(3)「カー・ラーチャカーン」へ
     ダムロン親王『内務大臣訓辞』
     ラーマ六世『公務の基本』
     「カー・ラーチャカーン」へ
(4)「タイ世界」の包摂
     ラーンナー人民民主共和国
     自称「コン・ムアン」
     チエンマイ対バンコク
     チエンマイ大学設置
     バンコクにタイはない
     最高の「借景」は「スコータイ」

第5章 現代タイの葛藤
1「タイ化」の進展
(1)国名「タイ」の決定
     「ラッタ・ニヨム」時代
     ウィチット・ワータカーン
     大タイ主義――失地回復
(2)「サリット革命」 
     サリットとウィチット
     「スコータイ」への回帰
     サンガへの介入
     国民教育への傾注
(3)大王プーミポン
     本当の「父」の登場
     溢れる才知
     「プーミポン時代」
(4)「チャート・タイ」の変遷
     「ラック・タイ」
     「ラック・タイ」の継承・強化
     上流人士――スラック
     転向
     仏教民主主義
     俗界と聖界の統合
     批判的知識人
(5)「タイ語」――大きな「チャート・タイ」
     アユッタヤー:二つの言語空間
     「宮廷(公的)言語空間」
     スントーンプー
     「異言語絵詩」、「ノッパマート女訓」
     「チャート・タイ=国語」へ
     本格的普及は一九六〇年代以降

2まとわりつく「外来人国家性」
(1)「外来人国家性」
     「カネ」と「コネ」
     「コーラップチャン(汚職)」
     相対的地位関係
(2)見えない身分制
     エスタブリッシュメント
     勲章と女性称号
     超エリート女性
     「国家経済計画案」と「サックディナー制」
(3)「サヤーム世界」の優越性
     「外来人国家性」の拡散
     「サヤーム世界」による包摂

終章 新しい「チャート・タイ」を求めて

あとがき
主要参考・参照文献
索引

感想・レビュー

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かーんたや

1
仏教民主主義2019/12/22

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