小学館文庫<br> 氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由

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紙書籍版価格 ¥880
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小学館文庫
氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由

  • 著者名:桜木紫乃【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 小学館(2019/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094067231

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内容説明

刑事の血、女の血。

「あなたは、誰が産んでもうちの娘です」

 北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之独楽』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。

二人デ居タレドマダ淋シ、
一人ニナツタラナホ淋シ、
シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
(北原白秋「他ト我」より)

北海道警釧路方面本部。新たな刑事の名は、大門真由。

※本書は過去に単行本版として配信された『氷の轍』の文庫版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

84
桜木さん十七冊目。一文たりとも読み飛ばしたくなくて、じっくりと堪能。何度も読み返してかみしめたい表現と美しい旋律に酔いしれた。いつもながら、どうしたらこんな素敵な文章が書けるのだろう。一切の無駄がなく研ぎ澄まされた描写でありながら、奥行きが深く果てしなく情景が広がっていく。どこまでも暗い空、白波立つ海面のうねり、荒涼とした砂漠、目に浮かぶ景色に登場人物の心情が重なり溜息が漏れる。重い記憶を引きずったまま殺された孤独な老人。彼の過去を追って関係者の道筋を丹念に辿るうちに見えてきた真相に嘆息。→コメント欄へ→2020/03/27

TakaUP48

45
道警釧路方面本部刑事・大門真由が海岸で発見された老人殺人事件を担当。被害者は青森市出身の札幌に住む孤独な元タクシー運転手。害者宅で見つけた北原白秋の詩集を手がかりに、被害者と関わりの深い女性たちが浮かぶ。知られたくないそれぞれの過去。人間の弱さや強さ、哀しさや残酷さが胸に迫る。互いに親子と分かりながら名乗り合わない壁。事件の謎解きだけではなく、各人の心に潜む思惑を巧みな描写で表現している。真実を知ることが本当に良いことなのか。血縁関係だけが親子ではない…。解説の役者・塩見三省の文にも感動した。2020/12/29

カブ

40
釧路の湿り気の多い空気とどんよりした空に浸りたい時は、桜木紫乃氏の小説に限る。釧路の海岸で1人の男の他殺遺体が発見されるところから物語は始まる。事件の犯人を追うミステリーだが、謎解きよりも関わった人たちの生きてきた道程を思うとせつなさがつのる。読み終わって、物悲しい。2020/01/02

ピロ麻呂

39
釧路の海岸で何者かに殺害された高齢男性の遺体が発見される。資産があるわけでもない、性格は温厚で、人付き合いが苦手な孤独な老人が何故殺されたのか?捜査の中で、彼の波瀾万丈な人生が紐解かれていく。「凍原」の松崎比呂も登場しますよ(^^)2020/01/22

シキモリ

32
TVドラマ版を鑑賞済みだが、原作から随分アレンジされているので新鮮だったし、前作「凍原」の比呂&キリさんも登場で何とも嬉しい誤算。警察小説やミステリー小説の体裁を取りながらも、作品の見所は決して謎解きではない。北海道の冷たい空気と空模様が醸し出す情景と、そこに生きる登場人物の悲哀が創り出す人間ドラマこそが魅力なのだ。桜木作品の女性達は覚悟の重みが違う。筋書き自体は二時間ドラマチックだが、全く陳腐にならないのはこの世界観あっての賜物。年老いた時、何の後悔も無く逝けるだろうか?私にその自信は未だ一欠片もない。2019/12/30

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