生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く

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生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く

  • ISBN:9784815601591

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内容説明

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本書は、著名な物理学者である著者が、最新科学の成果を「情報」という概念から捉えなおして、生命の秘密を解き明かす、スリリングな科学読み物です。

著者は冒頭に次の問いを投げかけます。

・いったい何が、生物と他の物理的システムとの違いを決定し、生物を特別な存在にする「活力」というものを与えるのか?
・そもそも、「生命」というのは、どこから来たのか?

この問いは、20世紀半ばに「生命現象を物理法則で解明できるか」という問題提起をしたノーベル賞物理学者シュレーディンガーを嚆矢に、多くの科学者が研究を重ねましたが、未だに決定的な成果を上げることはできていません。

しかし今日、その答えはすぐ間近にあると著者は説きます。その答えを導き出きつつあるのは、コンピュータ科学、化学、量子力学、そしてナノテクノロジーなどの分野が重なるところにあります。そして、これら様々な分野をつなぐキーが「インフォメーション(情報)」です。

本書は、「情報」という概念をキーワードに、情報と物理現象との関係、生命の誕生と進化、意識の発生といった話題を、最新の研究成果とエピソードを通して紹介し、「生命の秘密」を解明しようとするものです。

特に、本書のメインというべき4章と5章では、20世紀半ば以降に急速に発達した、コンピュータ科学と量子力学を通して、生物の細胞や進化、そして多細胞生物の宿命ともいえる癌細胞の発生の過程を説き明かしていきます。さらに、近年大きな注目を浴びている「量子生物学」の分野で解明されつつある、生命の謎に関する発見を解説します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

61
「本書は、「情報」という概念をキーワードに、情報と物理現象との関係、情報に基づく進化・個体発生、意識の発生といった話題を、さまざまな研究成果とエピソードを通して紹介し、「生命の秘密」を解明しようとするもの」で、2022/10/03

やいっち

48
既に、「ガンの始まりは、多細胞し始めた時から。多細胞化するメリットはあったからだが、同時に単細胞の細胞にはストレスも。本来は細胞は、どんどん分裂し増殖したい。が、多細胞体を構成する以上は、その能力が封印されるか、制約される。つまり、細胞たちは、常に隙あらば勝手に増殖しちゃうのだ。進化の淵源を辿ることから、ガンの治療法を探る研究も」とか、「進化の樹で、かなりの分枝でガンが発生している。その一方で多細胞体なのに発生していない分枝も」などと書いた。2019/09/18

evifrei

21
熱力学(エントロピー)・量子力学を中心にした物理学と生命の関連を説く。中でも意識・時間について書く最終章と、癌と生物についての記述が特に面白い。著者の仮説によると、癌は現代病ではなく生物の進化の過程の最初期から存在していたものだとする。観察によるとヒドラなどにも癌がみられるそうだ。このことから、癌とは現代の遺伝子の自己増殖禁止の命令に背き、原初の単細胞生物時代の遺伝子の目的であった増殖を繰り返す事だけを念頭にした古代への回帰を目指す病変であると示す。量子生物学や脳の統合情報仮説など他書籍の示唆にも富む。2020/04/12

DEE

17
個々の分子の経路を追跡できる。そのような仮想上の存在をマクスウェルは悪魔と名付けた。この本はその悪魔を介して生命の謎を情報で結びつけようとしている。 たぶんこれで大きく間違ってはいないと思う。かなりタフな内容で歯が立たないところも多かった。これはひとえに自分の知識と読解力のなさが原因であり、様々な理系学問を網羅する、わかる人にはたまらないのかもしれない。でもなんとなく想像できるところだけでも世界の深淵さは垣間見れると思う。2020/02/10

Atsushi Kobayashi

14
ちょっと難しすぎ。横書きの本であるべきですね。2019/10/23

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