内容説明
昭和28年の死まで、折口信夫の生活と仕事を傍らで支えた「最後の弟子」が、95歳を前に、遺すべき思い出、精神的なつながりや稀有な体験を、精魂こめて綴った畢生の作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
15
人生の最大の宝物の一つに、師を持ち弟子となることが挙げられよう。恩師を持つ者は幸福者である。まして折口信夫という巨人を師に持ち実生活を共にしもした筆者・岡野弘彦のそれはなんと豊穣なものだったのか。その豊かさは本書の言葉から行間から匂い立つ。歌の激しさとのびやかさ、ぬくもりをも伝えるエピソードとそれを綴る文体。いま筆者が靖国神社と沖縄に触れたことにも留意したい。2019/10/28
紙狸
7
2019年7月刊行。筆者は90歳代半ばの歌人。書名にある師匠折口信夫の思い出だけでなく、自身の人生も回顧している。高齢の文人の記憶の表出の仕方が興味深かった。昭和23年に折口と吉田健一が出会い、意気投合した様を間近で目撃した者らしく生き生きと描写する。筆者自身、折口の弟子であるにとどまらず、歌人として活躍してきた。宮中の歌会始の選者や宮中和歌御用掛も務めたから、宮中と歌のかかわり合いついて詳しい。歌会始は戦後、現代らしい作品を入選させるように、改革されたのだった。 2019/09/14
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