掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

紙書籍版価格 ¥2,420

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

  • ISBN:9784065119297

内容説明

「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリンの小説集を日本でついに刊行!2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります!このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、とにかく読んで、揺さぶられてください――岸本佐知子「訳者あとがき」より 彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。――リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。……自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

seacalf

224
人生そこそこ長く生きていると、どこかで出くわすものだ、壮絶な半生を経験しながらもカラッとした笑顔で笑いかけてくれるタフで美しい女性が。このルシア・ベルリンのように。内容は結構悲惨なものもちらほらあるのに多くの読者を惹き付けてやまないのは、どこか文章にオースターやミルハウザーのような魔力的な力を秘めているからか。日常の些末な事を洗い流して、彼女の語る話にはどっぷり浸らせてくれる何かがある。お上品に生きてきただけでは計り知れない物語を、数奇な生涯を送った彼女のきらめきとタフな体験を、あなたもとくとご覧あれ。2019/12/21

やいっち

218
一気に読めた。少しは小説も読んできたが、こういった作風の小説は初めて。身体的な障害やら親の都合での頻繁な転居、看護婦の体験を始め数多くの仕事、人との関りの輻輳ぶり。いろいろ彼女の作風を形成した背景は数え上げられるだろうが、説明はしきれないだろう。彼女自身が作り上げた世界。常に具体的現実と接触していて、どんな細かな瑣事も想像の翼の発端となる。想像は飛ぶのだが、彼女なりに経験したリアルからは食み出さない。小説の何処で切り取っても血の出るようなリアル感がひしひしと伝わる。読書体験として残るのは間違いない。2019/11/29

青乃108号

200
これほど頭に入らない本は初めてだった。確かに読んだのに、何も記憶に残っていないという。文字はまるでセラミックのツルツルした板の上に羅列されたそれのよう、読んでも読んでも目が文字の上を上滑りするばかりで俺は拒まれ続けた。ああ苦しい。ああしんどい。もう止めよう今止めよう。本当に辛くて長くて得る物は何もない読書だった。最後はヘロヘロになって倒れ込むマラソンランナーのように本をペタン。と閉じる。諦めない心。最後まで良く頑張った、と我ながら思う。気分はロッキーバルボア、エイドリアンはどこだ。 2022/03/21

fwhd8325

184
この表紙を見て、とにかく、この作品を読んでみたい欲求が生まれました。中には1,2ページの短編を含む短編集ですが、どの作品も強く印象を残します。よく日常を切り取るという表現がありますが、この作品は、著者ルシア・ベルリンの人生の中から生まれたもののようです。著者の名前は初めて聞きました、そして、すでに亡くなられていることも知りました。年齢を経て、作品が変化していくのを見てみたかったと思います。岸本さんの翻訳はとても読みやすく、作品に集中することができました。2019/08/18

ケイ

173
どの短編も、小さな汚れの目立つ窓から差し込む光の中、泡いっぱいの古いバスタブで、ぼんやりしながら頭に浮かんだ言葉から紡いでいった...、そんな印象を受けた。ルシア!と名前を呼ぶと、少し悲しく微笑んでこちらを向く彼女が途中から見えてきた。最初の数篇を読んで感じた違和感。だが、それぞれの短編を閉じる言葉の並びの美しさに次第に囚われていく。そして、彼女のネジのズレた感じの理由がわかってきた時、抱きしめたくなった。サリーの事で怒ったのは叔父ではなくて彼女の自責の念、祖父の歯は彼女が与えたかった罰のように思える。2019/10/22

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