人類の歴史とAIの未来

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人類の歴史とAIの未来

  • ISBN:9784799324622

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内容説明

人工知能は脅威か? 救世主か?
「人類とは何か」が分からないまま、AIを理解することはできない。
火、言語、農業、都市……人類の歴史をひも解きながら、AIの本質にせまる。


ロボット。仕事。自動化。人工知能。意識をもつコンピュータ。スーパーインテリジェンス。
豊かさ。仕事のない未来。「役に立たない」人間たち。「不足」の終焉。創造するコンピュータ。無限の富。仕事の終焉。永遠なる下層階級。
インターネットの記事で、こういう類の言葉が踊るニュースを目にしたことはないだろうか。
その筋書きは、未来への希望に満ちたポジティブな場合と、恐怖に満ちた暗い場合がある。

なぜこのような両極端な話になってしまうのだろうか。
様々な分野の、豊富な知識を持つ優秀な専門家たちの未来予測は、ちょっとどころじゃなく大幅に異なり、ときに真っ向から対立する。
なぜビル・ゲイツやスティーブン・ホーキングやイーロン・マスクは人工知能(AI)を恐れ、
近い将来、人類の生存を脅かす存在になると警告するのだろうか?
そしてなぜ、同じように大物のマーク・ザッカーバーグ、アンドリュー・エン、ペドロ・ドミンゴスらは、
そういった主張がばかげていて反論するまでもないと一蹴するのだろうか?

この論争の全てに根気よく付き合ったとしても、そこから得られるのは、混乱とフラストレーションくらいだろう。
この状態を脱することはできるだろうか? 私は、きっとできると考えている。
まず、専門家の意見が大きく食い違うのは、それぞれが知っていることが違うのではなく、信じていることが違うためであることを理解しよう。

ただし、この本は、私自身の意見を声高に述べるものでは全くない。
読者がこの本を読み進めるとき、私の意見がどうであるかにはたいした意味はないだろう。
私のゴールは、この本を読み終えたあなたが、この本で取り上げる問いにあなた自身の信条がどういう答えを導くか十分に理解できていることだ。

さて、この旅はどこから始まるだろう?
実は、はるか昔、言語が発明された頃まで遡る必要がある。
私たちがこの本で取り組む問題はトランジスタやニューロンやアルゴリズムではない。
現実、人間性、心の本質に関する問いなのだ。「人間とは何か?」と問う前に
「ロボットはどの仕事を人間から奪うのか?」と問うから、おかしなことになる。
最初の質問に答えられない限り、二つ目の問いに意味のある答えを出すことはできない。

そこで、私はあなたを、10万年にわたる人類史を眺める旅に招待し、旅の途中で様々な問いについて論じながら、来るべき未来について思いをはせようと思う。
この本は、旅そのものだ。あなたが私と共に旅をしてくれることをうれしく思う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

205
原題は『第4の時代』。哲学・歴史を振り返りながら様々な立場で未来を予想して見せるが、AIの個別のテクノロジーにはほとんど立ち入らない。absintheは、ピンカー、リドレーの技術至上楽観論を信じている。AIが人間様の仕事を奪うなど心配したこともない。中立な立場を装いながら、著者のリースはピンカー以上の楽観論者に見える。テクノロジーの進歩はものすごい勢いで貧困を撲滅しつつある。未来が明るくないはずがない。2020/02/20

Kentaro

36
私たちはAGIを作ったことがない。AGIに似たものすら作ったことがない。どうやれば作れるのかを示せた人もいない。脳のしくみも心のしくみも意識のしくみも分かっていない。医学の進歩によって乳児の死亡率は減少し、多くの疾患は治療可能になり、人々が活動的に過ごせる期間は長くなったが、寿命の最大値は増えていない。現在、世界には100歳以上の人が40万人いる。そのうち110歳の誕生日を迎えられるのは400人。115歳まで生きられたのはこれまでに40人だけ、そして120歳の誕生日を迎えたことが確認されたのは1人だけだ。2020/03/21

宇宙

21
AIの個別の技術には立ち入らない。様々な立場に立って未来を予測した本。中立というよりは、本音はAI楽観主義者のようだ。AIは人類の未来を明るくする。同感。2020/02/17

kubottar

19
人類はAIという次の地球の覇権を握る存在を作り出そうとしてる。そんな懸念を感じる。しかし実際にはAIが主流になったとしても人間ができる新しい職は生まれてくる。この本は悲観論に全振りした内容ではないので安心した。しかし、AIによる戦争の時代になったら、人間を使う戦争よりもコストが下がるため戦争が増えるという予想はゾッとした。未来は確実にAIの時代にならざるをえない流れになっている。どういう未来にするかは今から十分考えておく問題だ。2021/10/18

GASHOW

11
人類の歴史のなかで、人が平等になったのはつい最近のことだ。厳密には人種差別はなくなっていないが、少し前は同じ人ではないと考えられていた。AIが登場して、ロボットは人間ではないし、意識もないと思うのだが、ロボットに虐待する人も出てきたりする。トランスヒューマンは人だが、人間のデータをアップロードされた場合には、人間の意識をもっている機械とどう向き合うのだろう。AIが意識をもつことがあれば、起源の違う知的生命体だし、彼らからみた人は神なんだろう。2020/06/01

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