大江健三郎 全小説<br> 大江健三郎全小説 第4巻

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大江健三郎 全小説
大江健三郎全小説 第4巻

  • 著者名:大江健三郎【著】
  • 価格 ¥5,115(本体¥4,650)
  • 講談社(2018/12発売)
  • ポイント 46pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065090053

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内容説明

「今度の中篇集で、癌か狂気してか死の床にある男が、子供のころ父親と加わった、天皇の名のもとの反乱を再現しようとする。また、月への打ち上げを恐怖して、宇宙船基地を逃げた男が、現人神(アラヒトガミ)に救われることを夢みる・・・・・これらの、自由をおしつぶされる悲鳴と救済をもとめる叫び声を、時にはユーモラスにあげている男たちが、僕にとっての「同時代」なのです(著者・『みずから我が涙をぬぐいたまう日』)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

34
「狩猟で暮らしたわれらの先祖」: 今回、『水死』に関するイベントに参加するために、単行本や文庫本ではなく、わざわざ全集を選んだのは、この短篇が読みたかったからだ。 ではなぜこの作品が読みたかったのか、それは僕がこう考えているからだ。 「われらの先祖」ばかりでなく、「われら自身」もいまだに「狩猟」で暮らしているのではないだろうかと。/ 魔女を狩り、異端者を狩り、異教徒を狩る。 異民族を狩り、先住民を狩り、少数民族を狩る。 共産主義者を狩り、富農を狩り、走資派を狩る。 ウクライナを狩り、パレスチナを狩り、→2024/06/22

ぐうぐう

29
父を復元するための小説、と大江健三郎は言う。「父よ、あなたはどこへ行くのか?」「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」「みずから我が涙をぬぐいたまう日」そして「月の男」は、1970年前後に立て続けに書かれ、発表されていることを考えると、父を描くことがこの時期の大江の最大の主題であったはずだ。軍人達との付き合いもあった父が第二次大戦末期に突然に亡くなる。大江にとってそれはただの肉親の死ではない。父は歴史そのものなのだ(歴史を戦争と言い換えてもいい)。(つづく)2025/01/07

riko

5
水死は安定 集大成2024/03/12

minamimi

5
G1000のイベントで『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』と、ついでに『走れ、走りつづけよ』の2篇だけ読了。初大江健三郎。しんどい。でも無理受け付けない、というわけでもないので、また他の作品も読んでみよう。狂気を、わからないことを、恐怖している男。核の時代の恐怖のあり方なのか?2022/10/16

犬を飼っています。

4
大江健三郎全小説の中では中期に書かれた『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』から、かなり後になって書かれた『水死』まで含んだ作品集。「父と子」をテーマに書いた作品が多いが、そこは大江健三郎。単なる家庭小説ではなく社会的な内容も多分に含んだ思想性の高い小説群になっている。前半の中期小説もユーモアと社会性がミックスした面白い作品が多いが、『水死』に至っては「世界のOe」と呼ばれるだけの読み応えに仕上がっている。ある程度大江作品に明るい人でないと意味不明瞭な部分もある中級者以上向け。2022/02/22

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