誰が世界を支配しているのか?

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誰が世界を支配しているのか?

  • ISBN:9784575313413

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内容説明

『アメリカンドリームの終わり』が話題となっている、知の巨人、ノーム・チョムスキーが2016年に執筆した本書は、これまで一貫して米国政府の横暴や、それに従う御用メディア、御用知識人を批判してきた彼の集大成、あるいは遺言とも言うべき一冊。米国、中東だけでなく、日本を含めた東アジア情勢(特に北朝鮮の核問題の本質)にも触れた、「これからの世界」を読むうえで、必読の一冊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

37
一九三九年に戦争が始まるときから米政府は、戦争が終ると米国が圧倒的なパワーを持つことを予測していた。国務省の高官と外交専門家たちは戦時中、たびたび会合を持ち、戦後世界の計画を練っていた。彼らはまず米国が支配すべき大領域を描いた。それには西半球、極東、元英連邦と中東のエネルギー資源が含まれていた。ソ連がスターリングラード以降、ドイツ軍を摩耗させると、大領域構想はユーラシアに広がり経済の核となる西欧が含まれた。この「大領域」内において米国は「揺るぎないパワー」を維持し、「軍事と経済で圧倒」することにしていた。2020/01/27

Isamash

32
ノーム・チョムスキーMIT名誉教授2017年著作の訳本。歴代米国政権が南米や中東・アフリカで民主主義を阻害し都合良い独裁政権樹立に邁進してきた歴史を紹介。私も自画自賛に驚いたが、オバマによるビンラディン殺害を糾弾。米国は国際法を超越した存在とみなす考えと。イランの危険性に疑問。今のロシア行動との同一性に自分は驚愕。温暖化への危機感を表明し、そこから目を逸らせる共和党政策に反対。共和党に従来の支持者いなくなり福音派や差別主義の無教養白人男性にに支持基盤移行したことを紹介。異論もあるが、随分と刺激にはなった。2022/09/01

allite510@Lamb & Wool

15
またしてもチョムスキー先生は怒っている。同じ話題が何度も出てきたり、乱暴気味な皮肉が多かったりするので余計怒っている印象だが、内容はおなじみ「最強テロ大国アメリカ」の犯罪告発最新版。書いてあるのは笑えないことばかりではあるが、激しく面白い。ある意味「一九八四年」を超える世界に、我々が生きていることがよくわかる。機密指定を外された公文書など、おおむね出典と発言者が明記されていて 確認も可能なので説得力は高い。なにより国家間の謎の動きに驚くほど筋が通る。チョムスキーが指摘する通り (→)2018/04/04

futomi

11
逆説的な言葉使いが難解で何度も読み直した。ページを繰るごとに恐ろしく、「第14章アウトレイジ」のあたりでは息が詰まりそうになった。テロや紛争が止まず、こども、老人、傷病者もが戦火にある。それらの要因が一つの国から発生し、政府は多国籍企業や一握りの富裕層に牛耳られている、と解き明かす。核兵器や温暖化で人類は、孫の時代を迎えることができるだろうか、と警告する。 地球上に存在するもう一つの超大国とは「世界の民意だ」との明るい言葉が終章に現れる。諦めてはいけない。 2018/08/29

nabe

10
時間がかかり過ぎたが、皮肉たっぷりに現代アメリカ政策を批判している。「米国は世界を支配する義務がある」という傲慢さは、彼らが世界・人類 というときはキリスト教系白人世界を指しているのと同じ意識であり、更に現実に世界を支配しているのはごく少数の多国籍情報・小売企業の支配者であるとの事実を改めて知らされた。イスラエル・パレスチナ問題に多くのページを割いているが、勉強不足で理解しきれない。2020/07/24

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