ポストキャピタリズム―資本主義以後の世界

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ポストキャピタリズム―資本主義以後の世界

  • ISBN:9784492315033

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内容説明

英国のトップジャーナリストによるベストセラー、待望の邦訳。
人類史上初のチャンスをもたらす「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界を探る。

【本書への賛辞】
たとえ、あなたが現在の資本主義システムを愛しているとしても、本書を無視するのは間違っている。
本書の主張は、右派と左派も分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう。
――ジリアン・テット(ジャーナリスト・元フィナンシャル・タイムズ アメリカ版編集長)

これまでとは違う真の選択肢を導き出す独創的、魅力的、刺激的かつ活気ある明確なビジョンである。
――ナオミ・クライン(ジャーナリスト、『ショック・ドクトリン』著者)

ポストモダニズムなど、さまざまな『ポスト○○論』の流行が去った後、
メイソンは、唯一本物のポスト論である『ポスト資本主義』と恐れることなく向き合った。
――スラヴォイ・ジジェク(哲学者、精神分析家)


【「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界とは?】
●機械や製品の製造コストはゼロ、労働時間も限りなくゼロに
●生活必需品や公共サービスも無料に
●民営化をやめ、国有化へ。公共インフラを低コストで提供し、単なる賃金上昇よりも公平な財の再分配へ
●ベーシック・インカムで、劣悪な仕事は姿を消す
●並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などが出現
●経済活動に信用貸しや貨幣そのものが占める役割がずっと小さくなる etc

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

34
出かける前に。2015年初出。本書で述べたいことを一言で表すとしたら、 資本主義は複雑で適応するシステムであるが、適応能力が限界に達している(ゴシ太、9頁)。 認める人はほとんどいないだろうが、「自分の国がずっと存続すると誰も信じていない」ということが問題なのだ(53頁)。人の移動の問題がある。欧州と米国は2060年までに5000万人の移民を受け入れなくてはならない。ほかの先進国も3000万人を受け入れる必要がある(73頁)。 マルクスは、危機とは総じてシステムにとって圧力弁のようなものだ、と述べている。2018/03/13

みねたか@

28
斉藤幸平氏の対談繋がり。文章は平易だが、構成は通年の講義のように重厚。資本主義が危機を迎える背景を歴史的、学問的にたどりながら、ポスト資本主義社会を展望する。豊富で無料の財や情報の可能性が切り拓く次なる時代。労働と報酬の関係が希薄化し、社会的協働により価値が創出される社会。描かれる世界は確かに魅力的。しかし貪欲な資本は情報資産を囲い込んで移行を阻もうとするだろう。また「ベーシックインカム」の導入が重要という論は、次なる社会への移行が並大抵ではないことを暗示するようだ。2021/08/04

スターライト

5
コンドラチェフの景気循環を物差しに、現在を第五の循環期ととらえ、情報技術とネットワークが次の社会へのカギとの認識から、18世紀から2010年代前半の経済を分析。市場経済を維持しつつ、国家の役割を明確にする。気候変動と高齢化問題にも一定程度スペースを割いているところには驚いたが、特に後者の問題では今のままでの経済体制・政策では立ち行かないことは明白なのだが、それを為政者はもちろん国民がどこまで耐えられるのか。ストライキがなくなって久しい今、著者の提言が実現の方向に向かえばいいとおもうが実現は可能なのか。2022/02/12

はる

5
3年程前、書店で資本論150年を特集した書籍を目にした。資本主義の終焉なる文言があった。資本主義も終ることが予測されてるのかと思った。ポスト資本主義はまさにそれが表題である。マルクスはパリコミューンの労働者に時期尚早であるといった。蜂起後は彼らを支援し続けフランス三部作を数月の内に分析、纏め世界に訴えたそうだ。アメリカの金本位制度からの撤退が新自由主義を生み出し、2008年に資本主義の一つの手段が破綻した。それに替わるものは今だ見えない。2020/11/15

a.k.a.Jay-V

5
コンドラチェフ、アレクサンドル・ボグダーノフなど知らない人のイデオロギーや作品を知ることが出来て、それだけでも満足でした。値段よりタイトルや帯の方々で左派嫌いは敬遠するかも知れないが悪くない。左派が嫌いなら何故嫌いなのか?何処がダメなのか?を知るべきだと思う。従来の左派より現実を照らし合わせアップデートするフットワークの軽さは必読かつ(オールドスクールのレフトに)必要かつ重要なモノではないでしょうか?時代は動き変わる。人間は成長しなければならない。2017/11/13

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