内容説明
宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる民話や伝承などを扱う部署だ。同僚は桂靖久という青年ひとり。その日、竹取班を訪れた宗像という男は、ある蒐集家から寄贈された保管中の古い洋燈（ランプ）『朧月夜』を譲ってくれと言った。『朧月夜』には、ウソをつくと火が消える、という謂われがあり？ 月に憑かれた者たちの幻想譚。
目次
一、Cry for the Moon
二、心変わりの羽衣
三、月光の秘薬
四、ルナパーク同盟
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
40
三木さんの新作。今回も安定の清い世界でした。月に関わる問題を解決する連作集、面白かったです。難を言えば、やや名前に凝りすぎな所が読みにくい。2017/08/01
カナン
38
登録漏れ。ついでに再読。月世界紳士録というタイトルと云い、二人の待宵、桂という名と云い、嘘を吐かれると消えるランプの「朧月夜も」、記憶を奪う天女の羽衣も、月光に魅入られた女たちが奪い合うチャンドラマハムの王子様も、どれも月が好きな好事家にはたまらない単語が並んでいるのに、読み進めて行くほどに月の引力が弱く届かなくなってゆく。バディと呼ぶには互いを補い合えず、仲間や友人と呼ぶには寒々しい。「結界石奇譚」の雰囲気の方が好みだが、このぼんやりとした終わり方が作者の味ならば、次の作品に手を伸ばすのは躊躇われる。2020/02/10
しましまこ
27
衛星の運用から宇宙関連イベントの企画実施まで、JAXAとも深い繋がりがある宇宙産業企業「STeP」の分室が舞台。月に纏わる事なら民話から都市伝説まで月に特化した「竹取班」のたった２人の職員。月に憑かれた探偵役の桂と異動して来たばかり、冷たいようで根は優しくてお人好し、助手役の待宵。わ～いコンビだ嬉しいよ～。なんだけど、出会ったばかりの２人はこれからなんだよ。続編プリーズ！2017/06/30
きょん
17
三木さんのバディもの！と期待値が高すぎたせいか、まだまだこれからって感じの二人でしょうか。羽衣とルナティックパークのお話が好き。2017/07/10
いぼいのしし
16
月に関わるちょっとした謎解き。宇宙技術振興推進株式会社とかいうから、もっと科学的な感じなのかと思ったが、そうでもなかった。2020/04/08
