実業之日本社文庫<br> 星々たち

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紙書籍版価格 ¥652
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実業之日本社文庫
星々たち

  • 著者名:桜木紫乃
  • 価格 ¥587(本体¥534)
  • 実業之日本社(2016/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784408553139

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内容説明

奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚でさずかった娘とも生き別れた塚本千春という女。昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。千春の数奇な生と性、彼女と関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す。桜木ワールドの魅力を凝縮した、珠玉の九編。 松田哲夫氏(編集者・書評家)激賞!『一人一人の命が星のように光っている。その輝きを「物語」に結実させたエンディングの鮮やかさは見事!』 ■ひとりワルツ つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。 中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。 ■渚のひと 医大に通う息子が帰省する。久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。 隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが…… ■隠れ家 ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。 ■月見坂 晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は…… ■トリコロール 小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。 ■逃げてきました 市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。 ■冬向日葵 罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。 ■案山子 東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす元編集者・河野保徳の前に現れたのは…… ■やや子 図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

296
北の大地を這うように生きた、母娘三代の人生が愛おしい。やや子の時代でやっといろいろな負の連鎖を断ち切れるような、光の見えるラストも好き。いいなぁ、桜木さん。2017/03/17

しんごろ

211
母娘三代に渡る話なんですが、やや重めで暗いかな。彼女等に加え彼女等にかかわった人達が、それぞれの人生を幸せか不幸だったかは置いといて、力強く、逞しく、時には狡猾に生き抜く人の強さを見た気がします。このままで終わったらモヤモヤしたんでしょうが、ラストがすごく良く、全体を通して、ああそういうことなのねと物語のタイトルにも納得しました。生き抜くしんどさを楽しさに変えて人生を歩みたいですね。2019/05/05

yoshida

193
母娘三代の物語。咲子、千春、やや子と物語は繋がる。時には息苦しく、時には淡い光りを放ちながら。彼女達は様々な人生の綾に逢う。続いてゆく、それぞれの人生で輝く瞬間がある。咲子の人生の最期、千春の息遣いが感じられるような詩集。そして最後のやや子の未来に今までと違う幸福と言う名の輝きを見る。読み馴れた桜木紫乃さんの世界観。千春の人生は激動だと思う。傷ついた後に、頼る相手がいない過酷さ。それでも生きていく。それは強さなのか、覚悟なのだろうか。人生には様々な出来事が起きる。平凡な人生のほうが珍しいのかも知れない。2018/09/06

さてさて

176
他人が幸せな人生を送ったと感じたかどうかなんて本人以外には誰にも知る由はありません。星々の数だけドラマがあり、そして人の数だけドラマがある。三代に渡る女性三人の生き様を見るこの作品。そこには、この世に生を受けたからには、それでも生きていく他ない人の孤独さと、そんな中にも小さな喜びを見つけて前へと歩んでいこうとする人のしたたかさがありました。それぞれの場所で、それぞれに一生懸命輝いた咲子、千春、そして やや子。終始重苦しい物語の中に夜空に煌めく色とりどりの星々の姿に重なる人の生き様を見た、そんな作品でした。2021/05/05

新地学@児童書病発動中

123
最後の一行が素晴らしい。日本各地で懸命に生きている無名の人々を讃える文章。胸に響いた。読みながら涙がこぼれた。夜空に輝く名もなき星々たちにも、それぞれの輝きと美しさがあるのだろう。咲子という名前ながら自分は咲かない女だと自嘲する女性の生き様が、さざ波のように広がって彼女と関わりのあった人々の心に刻まれていく物語。短編を積み重ねて物語を作っていくという『ホテルローヤル』でおなじみの手法が効果を上げていて、深い余韻のある小説になっている。暗い内容なのだが、最後の短編でほのかな光が見えて胸の中に灯がともされた。2017/11/28

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