外来種は本当に悪者か?:新しい野生THE NEW WILD

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外来種は本当に悪者か?:新しい野生THE NEW WILD

  • ISBN:9784794222121

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内容説明

よそ者、嫌われ者の生き物たちが失われた生態系を元気にしている! ?
生態系を破壊すると言われる外来種だが、実際には、環境になじめず死滅するケースが多い。定着したものも、むしろ、受粉や種子の伝播を手助けしたり、イタドリやホテイアオイなど、人間が破壊した生態系を再生した例もある。
著者は、孤軍奮闘する外来種の“活躍”例を、世界中から集めた。
「手つかずの自然」が失われている昨今、自然の摂理のもとで外来種が果たす役割を「新しい生(ニュー・ワイルド)」としてあえて評価する。
外来種のイメージを根底から覆す、著名科学ジャーナリストによる知的興奮にみちたサイエンス・ノンフィクション。
R・ドーキンス『利己的な遺伝子』共訳者で進化生態学者の岸由二氏による解説付き。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

111
朝日新聞の書評で興味を持って読みました。外来種の導入に関する様々な事例を通して、外来種が生態系に与える影響をポジティブに論じています。本書は知的好奇心を満たしてくれます。チェルノブイリに人間が棲まなくなったことにより、当該地が野生動物の天国になっているなんて、まさに人類が生態系にとって悪者の証拠です。福島の人には大変申し訳ありませんが、福島を日本最大の自然保護区にしたらどうでしょうか?また欧米人の皆様は、自分たちが外来種であることを認識していますでしょうか?2016/11/28

ツバメマン★こち亀読破中

28
必ずしも外来種がダメというわけではない、という考え方が新鮮でした。外来種が在来種を追いやるのではなく、弱ってきた生態系を復活させたり、在来種の新しい居場所を作ってやったりして、生物多様性を高めることで、生態系に貢献する場合もあるそうです。たからといって、商売のために自然を破壊したり、飼えなくなったペットを放したりするのはダメですが。一方「手付かずの自然の保護に細かい管理が必要ならば、それはテーマパークと替わらない。」というのも考えさせられます。2017/04/27

宇宙猫

28
★★★★ 外来種って生態系を乱す悪者のイメージがあるけど、自然は変化するものだがら新しい物が入ってきても大抵うまく収まる。って本。なんとなく思ってたことと合致するので、すごく納得しながら読めた。でも、人間は生活をホイホイ変えられないから警戒するのも仕方ないよね。 2016/12/05

たまきら

24
外来種は新しい野性を作る!…外来種を肯定的にとらえている本です。でも無理やり特別なケースをあげているようにも感じます。ただ、もう外来種が入ってくるのは止められないし、在来種が消える要素は外来種ではないと言っても、消えていくものは消えていく。そんな状況を悲しむのではなく、いっそ「わあ!21世紀の自然は面白いね!」と言い切れるぐらい在来種の研究に力を注いでなければ楽しめたかもしれない。でもニホンミツバチの危機的状況を観察し続けている自分には全く笑えませんでしたとさ。2017/05/16

HMax

22
手つかずの自然という考えは幻想にすぎない、アマゾンやアフリカの熱帯雨林でさえも人の手が入っているというのはびっくりです(セレンゲティ国立公園もイタリア人が牛疫ウイルスを持ち込む、ほんの130年前までは牧草地だった!)。New Wildによる生物多様性を推進し、絶滅危惧の在来種は冷凍動物園で保護し将来の人新世テーマパークに備える。「6度目の大絶滅」も極端でしたが、この本と足して2で割るような対応がちょうどよいのでは。2016/12/23

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