創元日本SF叢書<br> 皆勤の徒【創元日本SF叢書版】

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創元日本SF叢書
皆勤の徒【創元日本SF叢書版】

  • 著者名:酉島伝法【著】
  • 価格 ¥1,571(本体¥1,429)
  • 東京創元社(2013/12発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488018177

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内容説明

奇怪な造語に彩られた、誰も見たことのない異形世界を構築する卓越したSFセンス。100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。語り手はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を手作りする。雇用主である社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上と、それを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、そして日々の勤めは平穏ではない――第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。連作を経るうちに、驚くべき遠未来世界が読者の前に立ち現れる。現代SFの到達点にして、世界水準の傑作。解説=大森望/本文イラスト=酉島伝法/電子書籍版特典画像をダウンロードできるID・パスワード付き。(本電子書籍は、『皆勤の徒』(創元日本SF叢書 2013年8月初版発行)を電子書籍化したものです。)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

96
前回挑戦した時は、従業者の素材本来の味の食餌の箇所で「これにて御免」と挫折。今回は最初に大森望氏の解説を読み込み、読友さんのアドバイスにより【百々似隊商】から読んでみる。お、面白いんじゃん!すごく惹き付けられる物語世界だし。最後に取っておいた表題作は、血と臓物と肉片と粘液を掻き分けて、何とか読了したが、やはり「そ、そうなんですか…」としか言えん…いつか私にもこの壮大な世界観が理解できるのかしらん…2015/07/24

藤月はな(灯れ松明の火)

60
全ての生物が感覚を司る器官とその反応を受け取る脳内の神経が変なふうに繋ぎ代えられ、電気ショックを流して「わぎゃおっ!!」と再構成されて以来、臓器と骨格と脂肪・筋肉が剥き出しになってぬぷぬぷ、まきゅあまきゅあという音を立てながら蠢動しているようなイメージを想像してしまった極北SF。難読漢字を使っている所に『十二国記』のようなファンタジー性も見える。そして社畜小説とも言える表題作が遠未来であり、読み進めるうちに現在に近い未来になっている構成も心憎い。個人的に輪廻転生ボーイミーツガールな『洞の街』が好きです。2015/09/02

りー

47
凄まじい。今年読んだ国内小説の中では頭一つ抜けている。臓物を思わせる粘ついた世界を舞台に異形の生命が跋扈し、ほぼ全ての固有名詞が造語からなるという奇怪な連作短編小説。作中で造語や世界観に関する説明が一切なされず、読者は赤子が世界に順応してゆく様に感覚的に物語を把握せねばならない。しかし一見難解にも思えるその「世界を認識する」作業が殊の外愉快で懐かしく、全く苦にならない。本作はSFであるが、この物語がSFとしての全容を顕すのは全編を読み終えた後。それまでは未知なる世界を手探りで彷徨う快楽に身を浸したい。2014/05/02

KAZOO

38
ちょうど読んだ、ウィルソンの「連環宇宙」を思い出しました。それを日本的・民族的な感じに焼き直していて結構はまってしまいました。また私がよく読む諸星大二郎のコミックを思い起こしました。連作短編なのでしょう、徐々に明らかにされていく全体感が身にまとわりつく感じがします。このようなSFは今までに読んだことがありませんでした。また著者自身が書かれている挿絵も効果的だと感じました。2014/08/06

月世界旅行したい

36
祝、英訳!……英語でも造語だらけなのだろうか。牧野さんの後継者みたいな作風と思ってたけれど、異世界描写はジーン・ウルフも少し入っているかも。(あんな仕掛けだらけではないけれど)。というかウルフを漢字だらけでグチョグチョにいじるとこうなってしまうというかなんというか。塵がナノ関係のものって理解できるのってSF読者ぐらいじゃね? とか思ってしまうけれど、そう考えると大森さんの解説は必要だな。そこそこのSF読者なら多分ついていけます。ルビないとさすがにしんどいからよめないけど。2014/06/02

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