火山のふもとで

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火山のふもとで

  • 著者名:松家仁之
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 新潮社(2013/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103328117

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内容説明

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった――。物語は1982年夏、10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘ではじまる。国立現代図書館設計コンペの闘いと若き建築家のひそやかな恋を、この家とこの土地に流れた幾層もの時間が包みこむ。朝日、毎日、読売、東京、共同ほか各紙文芸時評で話題沸騰! 胸の奥底を静かに深く震わせる、鮮烈なデビュー長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

211
丁寧で優しく柔らかい。建築設計者たちの・・否、先生の纏う空気の中に『ぼく』に同化した私がいた。今頃の読書だが、ちょっと参りました感。これがデビュー作とは・・建物の事、設計の事など門外漢ではあるが、いいんだ。この作品の空気、情景描写の余韻にしばらくは浸るとしよう。2017/01/14

ナイスネイチャ

161
図書館本。建築関係の知識があったらもっと面白かったと。「山と暮らす」と表現したらいい?こんなに穏やかに流れると何か自分が高貴な人間になった気分です。2014/09/28

ミカママ

154
はじめから終わりまで静寂に満ちて、ディテールにこだわった物語。聴こえてくるのは、鳥の鳴き声やシューベルトのピアノ曲くらい。一方ビジュアルの方は展開めまぐるしく、紙面を追うのに必死だった。舞台周辺の景色が立ち昇ってくるような。夏の家で供されるお料理の数々も魅力的で。建築家というのは文系の繊細さと理系の怜悧さを備えている、と言ったのは今は亡き森瑶子さんだったかしら。私に言わせると、そこに頑固さとウンチクが加わるわけだけど。読友さんからバトンのように回ってきたこの作品、私は幼馴染の建築家の友人に手渡します。2015/04/19

ケイ

143
軽井沢や浅間山を見た事がないと、話に入り込めないな。知っている景色があれば補強してくれる所を、文面からだけでは想像しにくい。例えば『雪国』のように、その舞台を知らない読み手にでも、それぞれに映像で見せていくような筆力に欠けると思った。人間関係の曖昧さはどこか残酷で薄情で、それは先生に対して抱いた印象と重なる。私にとって美しく流れていたものが断ち切られたのは、麻理子が結婚を口にしたところから。あそこは必要なのかしら。建築で言えば、私はコルビジェよりライト建築が圧倒的に好みなのもあり、前半はすごく良かった。2017/11/22

seacalf

135
評判だけ知っていて長い間寝かせていたけれど、やっぱり満足させてくれた。ひとつひとつの描写は穏やかなのに小説の世界に心地好く捉えられていく。読書の愉しみにひたすら没入するこの幸福感。評判通りに小説を読む喜びを味わえる。これから先、北軽井沢や、ライトやモデルとなった吉村順三、名のある建築家の建物を訪れた時もきっとこの小説が頭をよぎって静かに辺りの空気感を感じようとするに違いない。もっと松家仁之の書く文章を読みたい。そう思わせてくれる読書体験が出来た。夏の家のモデルかもしれないペイネ美術館も訪れてみたくなった。2021/11/23

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