講談社文庫<br> 新装版 ムーミン谷の十一月

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講談社文庫
新装版 ムーミン谷の十一月

  • ISBN:9784062769396

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内容説明

ものさびしい気配がおしよせる十一月。ムーミン一家に会いたくて集まってくる人たちがいました。ムーミンママになぐさめられたいホムサ、ひとりでいるのがこわいフィリフヨンカ、自分以外のなにかになりたいヘムレン、妹のミイに会いきたミムラねえさん、なにもかも忘れたスクルッタおじさん、五つの音色をさがすスナフキン。ムーミン一家のもどりを待ちながら、奇妙な共同生活がはじまります。「ムーミン」シリーズ最終巻!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

160
秋に読みたくて取っておいたこの本。 ムーミン一家に会いたくて集まってきたちいさな生きものたち。でもムーミンたちは灯台に行っているのか不在。一家は出てこないけど、だからこそよりムーミン一家の存在を強く感じます。 それぞれの個性が強くて、生活はかみ合わずでこぼこしてるけど、なんだかそれでいいじゃない。かみ合わなくても思いやってる関係が素敵。秋の別れはより切なくて、でも冬のあたたかい部屋を予感させるようなあたたかさも感じたり。人間よりも人間を感じるムーミンシリーズ、やっぱり好き。2018/11/23

ふう

89
そろそろスナフキンが旅に出る季節、と思って手に取ったら、第1章がなんとそのままの題。一家はスナフキンより先にどこかへ出かけたようで登場せず、ムーミン一家に会いたいと集まってきた6人の共同生活の話でした。お互いの個性に正直に対応する独特のいい関係。いつもみんなをほんわかと包んでいたムーミン一家が、ときどきみんなの心に現れて、そっと何かを教えてくれます。ホサムが森の中で、ムーミンママの悲しい気持ちを思いやる場面が印象的でした。そう、母親はいろいろ乗り越えて笑顔なんです。静かに冬を待つ美しい森を歩きたくなります2016/10/26

rico

80
ムーミンたちが出てこない、シリーズの最後のお話。最初のお話だけ読んでとりあえず最終巻読めばいいいか、なんて舐めた読み方してた私は、え、え、なんでムーミンいないのぉ~、てパニック💦でも、不在が逆に彼らの存在感を際立たせる。冬を迎えるその前に、何かに導かれるように谷に集まってきた仲間たち。不法侵入疑惑もなんのその、そこにいないムーミンたちを感じて、ママなら、パパなら、こうだよね、こうするよね・・・。色々あって、ドタバタやって、そして満たされて、それぞれの場所に帰って行く。ありがとう、ムーミン。また会おうね。2023/12/27

あつひめ

69
ムーミンシリーズ読了。ムーミン一家の不在中に訪れる仲間たち。心に不安や寂しさを抱えてムーミン一家の温もりに触れに来る。そこに集まった仲間たちの共同生活は、各々の抱えているものを知らないうちに乗り換える力強さを身につける。最後の決断は自分の心なのだということだろう。別に力んで努力しまくった訳でもない。自然体でいること。自分の心と素直に向き合うこと。自然の中で生きる時、風に逆らうなということと同じかもしれない。大人が見失ってしまっている心をムーミンたちの世界を通じて問いかけられた気分だ。2016/11/24

ユメ

61
一癖も二癖もある者たちが、ムーミン谷へやって来る。どの人も「こんな人いるよね」と思わされるし、あるいはちょっぴり自分に似ているかもしれない。ムーミン童話はいつだって、自分のよく知っている人たちの物語なのだ。肝心のムーミン一家は不在で、一同は衝突し合う。最後まで、誰もが本質的には何も変わらない。けれど、僅かな変化は起こって、それは彼らのこれからの人生を少し良くするし、奇妙な連帯感も生まれる。これを成し遂げたのは、ムーミン一家の余韻である。そんなことはつゆ知らず、彼らはこれから帰ってくるのだ。嬉しいことに。2015/04/09

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