村上春樹の「物語」 - 夢テキストとして読み解く

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村上春樹の「物語」 - 夢テキストとして読み解く

  • 著者名:河合俊雄
  • 価格 ¥1,496(本体¥1,360)
  • 新潮社(2012/02発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103308614

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内容説明

村上春樹が『空気さなぎ』を書いていたらベストセラーになったか? 青豆の妊娠の背後にある「結婚の四位一体性」とは? 『1Q84』と村上春樹の主要作品を渉猟し、物語の背後に息づく近代以前の超自然に包まれた神話的世界を探り、そしてポストモダンの時代に生きる我々の姿を描き出す、ユング研究の第一人者による待望の小説論。

目次

第1章 はじめに―物語と心理学
第2章 自立と近代意識
第3章 解離と遭遇
第4章 ポストモダンの意識
第5章 神話的世界とその喪失
第6章 超越の反転と結婚の四位一体性
第7章 人間の愛と物語―心理学的差異
第8章 超越性の排除となごり
第9章 存在の逆転
第10章 再び物語へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

36
心理学的なアプローチの理解の中に村上作品を留めようとしていて、著者の気質が批評的ではないことにいら立ちを覚えます。しかし、その様なレビューは皆無なので、皆、教科書的に読んでいるのだなと推測します。要するに、象徴的な解釈を行うだけのことが退屈なのですが、第3章に入り俄然読み応えが増します。村上的な近代的自我がいつの間にかポストモダンの領域を侵犯し(尚、モダンとポストモダン合わせて近代性だと思います)、他方で夢の解釈は前近代の領域に属しているが、モダンを飛び越えてポストモダンに直接つながっているという歴史的な2022/03/05

かっぱ

10
村上春樹の「物語」にたびたび登場する超越性との邂逅は、目に見える形としては、既に失われてしまって久しい神話的世界へと、読者を導く。小説の主人公達がそうであるように、人の心の奥底には、いまだ神話的世界との繋がりを求める気持ちが強く残っているのではないかと思える。2013/02/02

LIBRA

7
友人に借りました。1Q84を中心に村上氏の作品をユング心理学的に分析している本でした。 村上氏の読んでいない作品も多く、1Q84もざっと前に読んだだけなので、難解でした。2020/05/24

梟をめぐる読書

6
「ユング心理学視点からの読解」「夢テキストとして~」というとなんだかオカルトめいた印象をもたれてしまうかもしれないが、プレモダン(前近代)、モダン(近代)、ポストモダンという三項を参照しつつ「超越性」に焦点を当てた、じつはきわめてまっとうな村上春樹論。もとより村上春樹の小説には失われた神話的世界(ユングの「集合的無意識」)を呼び戻す傾向が強いことは認識していたが、まさかここまで深く結びついたものだったとは。しかしなにより著者の「物語肯定」の姿勢を強く評価したい。2011/09/07

KASAO

5
村上春樹を理解するための資料として読了。夢テキストということで、著者はユングや神話などの観点から作品を読み込み、独自の見解を述べていました。作品理解の手助けにはなりましたが、全体的にフワフワしている気がするので、説得力があるかと言われれば疑問が残ります。2012/08/05

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