内容説明
教室にあるはずの48の机と椅子がすべて消え、代わりにコピーされた遺書と級友の冷たい骸(むくろ)だけが残されていた。しかも密室で。自殺か他殺か。高3で、推理マニアの工藤順也はこの謎に果敢に挑むのだが……。本格ミステリの甘美な果実にして、瑞々しい青春小説。法月綸太郎のデビュー作にして、不朽の名作。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
72
うん、ミステリーが大好きだということが、ビシビシ伝わってきました。本当は700pくらいあったけど、200p削られたというのは、有名な話みたいです。内容は、教室で生徒の一人が死んでいて、机と椅子が全て消失していた。という事件に素人探偵が挑む、という話です。ずばっと言ってしまうと、登場人物に厚みがなく、あまりのめり込むことができなかった。真実も二転三転するのですが、上滑りしている感じがするのは何故だろう。"若さ"ですかね。法月綸太郎シリーズが気になってウズウズ。2017/09/07
HANA
69
微妙。探偵の活躍するミステリはその「探偵が活躍する」という一点だけでファンタジーだと思うが、その他は地上の論理でやらないとだめだと思うんだよね。本作はどの登場人物も完全にミステリの論理で動いているので、違和感が読んでいる間付きまとう。人形芝居見ている気分。また主人公は生徒だけど、それが捜査の中にあっさり潜り込めるのもリアリティが無さ過ぎて…コナン君かな?関係者の息子とか准教授ならまだわかるけど。新本格って人物の記号化を意図してやってるんだけど、本作はそれと著者の論理重視が悪い方に作用しているように思った。2021/08/30
ちくわ
33
法月綸太郎の作品は雪密室を読んでこれで二作目。雪密室を先に読んだから法月綸太郎シリーズじゃないんだって思った。だからこそ後回しにしたのか?内容はというと、とある高校の一室で生徒が死んでいた。しかもその教室は密室で本来あるはずの机と椅子が全てなくなっていたという。その事件に同じクラスの推理マニアの工藤順也が挑む!というようなもの。事件を通してこの学校の問題が浮き彫りになったり二転三転する展開は面白かった。でもなんで最後に少しカーブをかけたのだろうか。自分がミステリ小説に慣れすぎたせいか少し混乱してる2016/08/03
MATHILDA&LEON
31
久々にミステリーをということで、たまたま目についた法月氏のデビュー作を手に取る。ミステリーとして実に面白く、最後まで気を抜けない展開でありつつ、同時に高校生たちの青春小説としても読める一冊になっており、何だか甘酸っぱい切ない気持ちにも襲われる。一つの作品で様々な読み方ができる本作、なかなかの良本である。2017/03/16
糸巻
30
講談社文庫創刊55周年『#わたしの講談社文庫』辻村深月さんセレクトの1冊。このようなフェアがなければ読むことがなかったかもしれない作品だったが、読んでよかった。とても好みの作品だった。1988年にノベルス版で出版された法月綸太郎氏のデビュー作。高校の教室内で生徒の遺体が発見される。机と椅子が全て無くなっていて、コピーされた遺書が密室で残されていた…。発見された1日の出来事を420頁超で描く。推理小説好きな男子生徒が主人公となり捜査に協力。80~90年代文化と青臭い青春ミステリ好きな方にお勧めしたい。2026/06/01




