私たちが好きだったこと

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私たちが好きだったこと

  • 著者名:宮本輝【著】
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • 新潮社(2013/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101307121

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内容説明

工業デザイナーを目ざす私、昆虫に魅入られた写真家のロバ、不安神経症を乗り越え、医者を志す愛子、美容師として活躍する曜子。偶然一つのマンションで暮らすことになった四人は、共に夢を語り、励ましあい、二組の愛が生まれる。しかし、互いの幸せを願う優しい心根が苦しさの種をまき、エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えていく……。無償の青春を描く長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

114
宮本さんの作品は初期の頃から殆ど読んできたのですが、最近は「流転の海」シリーズをのぞいてはあまり読んでいません。この作品も未読でしたので読んでみようと手に取りました。この本では4人の若者たちが主人公となっているのですが、あまり周りにはいなさそうな人びとですがエンターテイメントとしてうまく料理されています。2018/05/16

takaichiro

107
輝さん、こんな作風があるんだー。映画化もされているんですね。ひょんなことから男女4人の共同生活が始まる。普通に考えてもうまくいきそうにない。若い頃は他人が経験しないことに挑みたいと目の前の刺激に飛びつく。勢いが止まらない。一通り経験しないと静かに淡々と生きることも幸せだと気づかない。不安症の発作に悩む愛子を中心にバタバタ続き。彼女を愛した与志は冷静を装うもアタフタ。共同生活は2年間。静かな生活に戻り振り返った時「心根の綺麗だった自分の<気配>とは、簡単に訣別できないのでは」疑問形で終わるセンス。良いです!2019/12/31

chikara

77
再読。シズカニ、シノゲルトオモウ。ロバの言葉は沁みました。男女4人が好きだった事とは無償の愛なのでしょうか。「お人好しとか世話好きといった次元を超えている。そう、私たちの命の傾向性なのだ。」命の傾向性とは・・・重く響く言葉でした。 様々な教訓や格言の詰まった素晴らしい物語でした。宮本輝氏に感謝。2014/11/14

i-miya

55
2013.11.23(11/23)(初読)宮本輝著。 11/23 (カバー) 私=工業デザイナー志望、ロバ=写真家志望、昆虫が好き。 愛子=医者志望、不安神経症を克服する、耀子=美容師志望。 二組の愛。 互いの幸せ願うやさしい心根が苦しさの種まき。 エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えてゆく、無償の青春。 (解説=野沢尚) 映画化のための脚本、オファー、1996.02。 私たちって自分では気づいていないけど、人のために苦労するのが好きね。  2013/11/23

エドワード

41
与志とロバは31歳、曜子と愛子は27歳。神様がくれた偶然の出会いから、今でいうシェアハウスの住人となる。四人とも困っている人をほっておけない性格で、いつも借金の山。物語は1980年が舞台だが、発表されたのは1995年だ。翌々年映画化されている。80年というと私は高校三年生、受験真っ只中。当時の私には四人とも随分と大人に見えたろう。だが今初めて読むと、今の私からは完全に青春ドラマだ。曜子はともかく、男二人と愛子の若い情熱が際立つ。わが身よにふるながめせし間に、視点はかくも変わるものだと感じた。2013/12/18

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