内容説明
工業デザイナーを目ざす私、昆虫に魅入られた写真家のロバ、不安神経症を乗り越え、医者を志す愛子、美容師として活躍する曜子。偶然一つのマンションで暮らすことになった四人は、共に夢を語り、励ましあい、二組の愛が生まれる。しかし、互いの幸せを願う優しい心根が苦しさの種をまき、エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えていく……。無償の青春を描く長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
114
宮本さんの作品は初期の頃から殆ど読んできたのですが、最近は「流転の海」シリーズをのぞいてはあまり読んでいません。この作品も未読でしたので読んでみようと手に取りました。この本では4人の若者たちが主人公となっているのですが、あまり周りにはいなさそうな人びとですがエンターテイメントとしてうまく料理されています。2018/05/16
takaichiro
107
輝さん、こんな作風があるんだー。映画化もされているんですね。ひょんなことから男女4人の共同生活が始まる。普通に考えてもうまくいきそうにない。若い頃は他人が経験しないことに挑みたいと目の前の刺激に飛びつく。勢いが止まらない。一通り経験しないと静かに淡々と生きることも幸せだと気づかない。不安症の発作に悩む愛子を中心にバタバタ続き。彼女を愛した与志は冷静を装うもアタフタ。共同生活は2年間。静かな生活に戻り振り返った時「心根の綺麗だった自分の<気配>とは、簡単に訣別できないのでは」疑問形で終わるセンス。良いです!2019/12/31
ykmmr (^_^)
90
輝さん作品。公団住宅にて。与志(主人公)・ロバ・愛子・耀子の4人で始まった、アラサー共同生活。アラサー時代に、こんなに余裕があるのか⁇と言うほど、突然、旅に出たり、仕事を退職し、医学部を受験したり、そして恋愛。まあ、この作品の書かれた時代にはありえた事なのかも。偶然に知り合った4人が同じ場所で暮らし、刺激し合い、時には争いもあって、それにより、4人の『絆』が出来、お互いの夢や恋愛を応援し、支え合うようになる。現在の情報ツールがない時代、素朴なアラサー4人組が、現代とは違う若い時代を生きていく姿が新鮮。2023/11/14
chikara
77
再読。シズカニ、シノゲルトオモウ。ロバの言葉は沁みました。男女4人が好きだった事とは無償の愛なのでしょうか。「お人好しとか世話好きといった次元を超えている。そう、私たちの命の傾向性なのだ。」命の傾向性とは・・・重く響く言葉でした。 様々な教訓や格言の詰まった素晴らしい物語でした。宮本輝氏に感謝。2014/11/14
i-miya
55
2013.11.23(11/23)(初読)宮本輝著。 11/23 (カバー) 私=工業デザイナー志望、ロバ=写真家志望、昆虫が好き。 愛子=医者志望、不安神経症を克服する、耀子=美容師志望。 二組の愛。 互いの幸せ願うやさしい心根が苦しさの種まき。 エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えてゆく、無償の青春。 (解説=野沢尚) 映画化のための脚本、オファー、1996.02。 私たちって自分では気づいていないけど、人のために苦労するのが好きね。 2013/11/23




