内容説明
ファッションは、その人の内面を映しだす鏡。服装には、その人の性格、生い立ちから精神状態までもが映しだされる。なぜ、ファッションが、その人間のレゾンデートル(存在証明)なのか?なぜ、他人が同じ服を着ているのを見ると嫌な気がするのか?40年の格闘を経て、ドン小西が洞察したファッション理念の集大成。
目次
プロローグ 美は乱調にあり!
第1講 唯一無二の自己の内面をファッションに顕わせ!
第2講 イデア(理念)を源にファッションは生まれいずる
第3講 ファッションはなぜ個性的なのか ボクのファッション感覚
第4講 ファッションの社会史 異端が時代を創った
第5講 ファッションは束縛された精神を解放する
エピローグ 神は細部に宿る!!
著者等紹介
ドン小西[ドンコニシ]
小西良幸。ファッションデザイナー。1950年三重県生まれ。名古屋学芸大学客員教授および名古屋ファッション専門学校特別講師。1981年フィッチェ・ウォーモ設立。税関職員をはじめ数多くの企業のユニフォームを手がける。東京、ニューヨーク、ミラノでコレクションを発表。テレビ、ラジオ、雑誌での辛口ファッション・チェックで人気を博す。91年毎日ファッション大賞受賞ほか、国内外の受賞多数。日本流行色協会理事、日本ユニフォームセンター理事、イスラエル親善特使などつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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桂けい
6
この本を読むと、ドン小西さんの印象が変わりますね~。 失礼ながら、毒舌の変わったおじさんだと思ってましたので(^^; ファッションへの追究は、しいては自分磨きに通じるコトを、教えてくれる一冊でした。2017/02/04
nizimasu
5
一見、ちゃらい本かと思いきや、小西さんのファッション観と哲学みたいなものが、過去の偉人の言葉とともに思索されている。その表現は、自己の発見や認識であり、西田幾多郎まででてくるから驚き。最近のファストファッションではなく、ハイファッションの矜持があって、ナタリーポートマンのユダヤ批判のデザイナーの衣装を急遽、取りやめるなど生き方そのものとファッションが深く結びついていることは強調してもしたりないだろう。この人の人生の辛酸も感じられて本当にイメージが変わりました。素敵な人だ2014/04/05
ゆとり
2
小林秀雄はこんなことも言っている、「美しい花がある。(しかし)花の美しさというものはない」と。これはね、ボクらは一つひとつのそれぞれの花を見て美しいと思う、それが本当の姿だよ。それなのに、人間は「花の美しさ」というような、実体も何もない抽象的な概念をもてあそびはじめるんだ。そしてあまつさえ、抽象的概念にとらわれて、思考が束縛されてしまうことすらある。ただ1本の花を見つめ、それを美しいと思った自分の心の動きを徹底的に深めること、それが言葉以前の感性を大事にするということ。つまり純粋経験に立ち戻るということだ2014/06/11
かませ犬
2
着る側、作る側それぞれに警笛を鳴らし、ファッションの持つ特性、個性の根本にある自己の精神の唯一性をいかに導きだすのか、著者の考えを述べた本である。個人的な意見としてもファッションの流行を追うことは思考停止しているも同然で、コミュニケーションの道具であり景色としての服であるのにも関わらず、人とまるで差異がなく、他人と同じ流行りもので身を固め安心するのは全くもって意味がわからないと思っている。そんな流行のあと追いに忙しい人に、是非読んでもらいたい。解答を得られるわけではないが、公式を知ることができるだ。2014/04/30
Paddle With Me
2
ドン小西のファッションチェックが好きな人には、ご期待に沿わない内容wドン小西がこの本で言いたいことは最後の部分だけ読めばわかる。 というか、結論の割に引用し過ぎなような…イデアの重要性の伝え方も独創的になろうよ、ドン小西さん…2014/04/16