内容説明
深刻な悩みにズバリ切り込む。脱出不能と思い込んでいる深刻な悩みの相談に悩みを活力に変える処方箋を下す。ありきたりの解答とは、全く異質のご託宣に得心するしかない。
目次
リストカットがやめられない（１９歳女性）
ひきこもりです（２４歳男性）
結婚したくない（２８歳女性）
友達ができない（１８歳女性）
彼氏に別れを切り出せない（２８歳女性）
職も金も夢もないボクに生きる価値はある？（２９歳男性）
綺麗じゃないと女じゃない？（２０歳女性）
親を憎んでいます。（１９歳男性）
アニメの女性としか付き合えないんです（２１歳男性）
やりたいことが見つからないんです（１９歳男性）〔ほか〕
著者等紹介
西部邁［ニシベススム］
１９３９年北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授を経て評論家に。１９９４年から２００５年３月まで「発言者」の主幹を務める。「表現者」編集顧問。著書に『経済倫理学序説』（吉野作蔵賞受賞）、『生まじめな戯れ』（サントリー学芸賞受賞）など多数（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
34
先日、自死してしまった西部邁さんの人生相談。数多の相談に対してスパッと切りながらも、どこかに優しさを感じさせます。民主主義がいじめを生み出す構造なんだとか、その説は大上段でありながらも視点は低い。貴重な保守派の論客だったんだなあと改めて思います。端々にその知性を感じさせます。東工大の中島岳志さんが日経のコラムでこの本を推薦してたので、借りてきて読みました。2018/06/20
白義
12
保守主義の哲学者らしく「自分を磨き、他者のために生きろ」とか「多数決デモクラシーがいじめを生む」とか、それぞれの相談の背景にある価値観自体は言ってしまえば月並みというかありがちなもので回答もわりとパターン化しているんだけど、むしろそうした価値観部分よりそれを伝える表現の反射神経、言葉の身軽さと勢いが秀でていて楽しく読めた。例えば引きこもりの相談には引きこもりもいじめもデモクラシーから生まれたので徴兵制を……と「はは先生またいつもの話ですか」と定形で入りつつ「老人を徴兵して若者は楽しく生きろ」と鮮やかに〆る2018/02/11
ネコ虎
10
人生相談を読むのが好きだ。自分も一緒になって考える。新聞の人生相談の回答に納得できないものが多い。何故か。この「西部邁の人生相談」を読んでよくわかった。深い思考と信念、価値観、ぶれない軸があるかないかの違いだ。新聞回答者はいい加減な回答が多い。特に心理学者。中身が全く薄っぺらだからだ。西部氏の回答は辛らつだ。大体相談者が「甘い」と怒られている。相談者に覚悟がなければ受け止められないだろう。西部氏の人生が込められた清々しい回答は為になる。相談内容がパターン化しているのが残念。2018/01/11
草生やすな
0
激励を受けた気分になった。2014/01/14
