感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
32
さすが革命の国。自分の権利が戦って獲得したものであることに誇りを持っている人たちのいきいきとした表情、ことば。権力者への不満をどのように表現するか、何百年も前から様々な形で見せてくれた国らしい運動です。コネがものを言い、特権を持つ者ばかりが優遇されるのは日仏どちらも同じ。不満を持つ人が多いのも同じ。アウトプットだって、実は同じです。問題は教育と既存メディアでしょうか。感情をあらわにし団結することを卑下し無視してきたこの数十年。でも、日本だって限界に来ています。2024/02/26
フム
14
フランスで昨年起きた黄色いベスト運動は、パリで車が炎上する動画がネットで拡散されるなどよく目にした。ニュースで取り上げられる映像、器物破損や放火、投石…からは、過激な暴動、犯罪的な行為として批判されることも多かった。それを多様な視点から理解できた。黄色ベストの人たちは、地方に住む庶民、グローバル化した新自由主義の中で「声なき大衆」が主権者として立ち上がった。それはエリートに利益の流れる経済システムに裏切られたと感じる労働者の暴動。キング牧師はその暴動を「耳を傾けてもらえないものたちの言語」と語った。2019/04/30
Yukiko
9
買ってからずうっと積読で、何年たったか。やっと読み始めて読み終わった。面白かった。なるほど。堀茂樹、國分功一郎、コリン・コバヤシ、武田砂鉄、陣野俊史、セルジュ・カドリュッパニ、面白かったけれど、いちばん問題を整理して理解できたと思ったのは、毛利嘉孝。指導者の存在しない「黄色いベスト運動」が「暴動」に感じられるのは、消費者や生活者の運動だからだ。新自由主義的グローバリズムの矛盾は貧富の格差を広げ、右派も左派も激化し、それぞれオルタナティブを提案している。黄色いベスト運動にはその両極が合流している。2023/11/08
hgstrm2
1
自分がいかに、黄色いベスト運動について理解していなかったかを痛感。これって要するに、いまの社会はなんかおかしいよね、どうして特定の人たちは得をして、自分たちの生活はこんなに苦しいの?というきわめてまっとうな不満から始まって、それは現状の資本主義や民主主義を変えなくては、という発想につながる。それは特定の政治家や政党を支持することではなく、自分から動くことでしか実現できない、だから動くんだ、ということ。そこに未来への希望のようなものが感じられた。それしても、なんという自分の勉強不足!2022/07/14
ユウタ
1
日本でも始まらないかな、と思っています。2019/04/02