内容説明
ロサンゼルスの「特別な学校」に通う、自閉症スペクトラム障害の高校生のマーティンは、映画監督である母親の仕事について行き、フランスの田舎町で夏休みを過ごすことになる。そこで通う初めての「普通の高校」で、フランス人の女の子に電撃的に恋に落ちる。愛読書であるプルーストの『失われた時を求めて』と結びつけて、取り巻く世界を解釈する特徴があるマーティン。恋に落ちた彼女も、周りにいる「普通の友達」も、プルーストの物語の中から見た「空想」の一つだったはずなのに、次第に、彼はそれが空想ではなく、生身の人間であることに気づきはじめてしまう。彼にとって衝撃的な気づきと葛藤の先に見出していく答えとは。障害の有無は関係なく、誰もが感じる人間関係の難しさや殻を破ることへの勇気が強く優しく描かれていく。
著者等紹介
レイル,ヒラリー[レイル,ヒラリー] [Reyl,Hilary]
ニューヨーク在住の作家。ニューヨーク大学にてフランス文学を専攻し、19世紀のフランス流行文学の研究で博士号取得。学位取得後にフランスに留学し、パリで数年間を過ごす。デビュー作はLessons in Frenchで、Oprah.comの編集者選書に取り上げられた
林真紀[ハヤシマキ]
つくば未来リサーチ代表(翻訳者/研究者)。慶應義塾大学環境情報学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程中退。精密機器メーカー、国立大学法人の研究室にて翻訳者として勤務の後、独立。委託調査業務や企業翻訳の傍ら、発達障害の子どもを育てる保護者向け記事を多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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