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「4分33秒」論 - 「音楽」とは何か ele-king books

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784907276133
  • NDC分類 762.53
  • Cコード C0073

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ecriture

13
2008年、全15時間、全てジョン・ケージの「4分33秒」にあてた講義録に加筆修正を施したもの。「4分33秒」を形成したのが「無為の指定」と「時空間の限定」だとすると、サーストン・ムーアの有為の演奏は「無為」を切り捨ててしまい、ポール・グリフィスのように「いつでもどこでも『4分33秒』は鳴っている」式の拡大解釈は時空間の限定性を切り捨ててしまうという指摘はキレている。聴取を促す器や枠を提示するだけでは不十分で、聴くことを学ぶための仕掛けが必要だというフェラーリを経由したケージの批判的受容も至極真っ当。2014/06/07

gu

5
その辺の知識が無い自分にも楽しく読めて、「4分33秒」が引き起こした思考や、現代音楽、現代芸術の試みを知ることができた。『作者の死』や『開かれた作品』といった固有名詞も頭に浮かんだ。前半は「枠と出来事」を軸として「聴取」をめぐる転換を、後半はそもそも聴く以前に時間の体験であるとする著者の考えを語る。『未知との遭遇』でも思ったけど、この人の論には独特のポジティブさがある。2016/04/24

左手爆弾

2
有名なジョン・ケージの「4分33秒」を1冊に渡って語り尽くす...と言いたいところだが、正直、口語でやった講座をそのまま本にしているので、ページ数の割りに繰り返しが多い印象。筆者も最初の方で、ケージについて包括的に知りたい人は読まなくていいですとエクスキューズ、なんだかな。それはともかくとして、一応、「4分33秒」をどのような切り口で考えればいいのかは一通りわかる。①沈黙、②音と音楽、③聴くこと、④枠組み、⑤それでも表現すること、⑥虚無の贅沢さ、といった点だろうか。2017/12/03

monado

2
4分33秒は出落ちなのか!?過去の論評、他の現代音楽、他のメディア芸術と比較しながら、その意義を探ってゆく内容。 途中で紹介されるアートや本が結構面白くて、そっちのほうに食指が伸びてしまった。 終盤の時間芸術=タイムマシン論は興味深い。2015/10/14

hixxxxki

1
枠と出来事。時空間の限定と無為という行為の指示。音があるということに気づかされる、音を音楽として認識してしまうということ。作曲家・演奏家から聴く側への詩学の転換。聴取の詩学。レディメイドは便器という作品の中身自体の美学は全くどうでもいい、純粋にコンセプチュアルな作品だが、4分33秒は沈黙の中にある音という中身自体が問題。時間の体験。2017/08/07

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