内容説明
メカニズムへの指向が乏しいとされた江戸時代に、自動機械の原理をそなえた、木製ロボットが誕生していた。近世技術史の空白を埋めるからくり文化論。
目次
序章 「からくり」への招待
第1章 木製ロボットの誕生
第2章 からくり技術事始め
第3章 「竹田からくり」の影響
第4章 進化するからくり人形
第5章 幻のからくり人形復元
第6章 江戸期エンジニア列伝
第7章 山車からくりの世界
終章 からくり文化の遺産
感想・レビュー
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猫
7
江戸時代に花開いたからくり人形について、愛知岐阜地域の山車に乗せられたものを中心に解説した本。茶運び人形は残された図面を基に中身の解説もされている。文献等が少ないらしく、すでに完成された技術の状態から現代に向けての歩みに絞られてるが惜しい。戦国の頃に海外から自動時計がやってきて、その仕組みを模倣し発展させて、和時計を作り上げるという昇華された日本独自の技術が、どんな過程で何と結びついてからくり人形となったのかとかをもっと知りたかった。すごいことなのはわかるけど、ちょっと日本賛美の論調が鼻につくかも。2016/02/27