内容説明
正解はない。でも簡単には殺せない。
目次
第1章 どう裁く?(後悔だけはしたくない―いざというときに備えて;施設入り寸前の惨劇―79才夫が81才妻を絞殺した朝;未成年強盗強姦事件―即求刑、翌日判決のスピード審理に裁判員は対応できるか;妻が夫を葬るとき―密室殺人劇の“殺意”をどう考えるか)
第2章 罪と罰の意味を考えてみた(いちど裁判員になってみたかった;元裁判官に聞く死刑と無期の境界線;森達也×北尾トロ―死刑についてちょっと真面目に話してみよう)
第3章 彼は殺ったのか殺ってないのか―元韓国エステ嬢殺害事件(否認;動機;判決)
第4章 2人を殺した元大学生に死刑を言い渡せるか―杉並親子強殺事件(隣人を刺殺した後、犯人は眠りについた;殺意の否認;死刑でもかなわないと思っています;北尾裁判員、判決を下す;果たして司法の裁きは…)
著者等紹介
北尾トロ[キタオトロ]
フリーライター。1958年福岡県生まれ。08年より長野県伊那市高遠町で『本の家』を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
34
もし自分が裁判員になったら、まともな判断が下せるのか?裁判員制度自体には賛成。ですが、アメリカ式の有罪無罪の判断のみが仕事で量刑は裁判官にお任せスタイルがいいな。ただでさえ場の流れや支配する空気に呑まれやすい日本人。終身刑や死刑などの応報刑を素人裁判員が主観を入れずに下すことは難しそう。一時期漠然と考えた問題。「僕に死刑と言えるのか」皆さんはどうでしょう。2018/10/16
太田青磁
14
裁判員を意識すると、動機は何なのかどのようにして犯行が行われたのか詳細が知りたくなる・生涯に裁判員を経験する確率は、70人に1人・70代後半以上の殺人犯は、判決が有期刑でも実質上死刑になる可能性が高い・有罪だというためには確信が必要・死刑判決のガイドライン、犯行の罪質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状・日本の裁判には教育と言う視点が決定的に欠けている・裁判員に選ばれたら、日本の司法のためなどではなく、自分自身のために悩み自分なりの結論を出すしかないだろう2014/03/21
ななかまどすえ
6
裁判員制度を目前にして書かれた本書にはいくつかの裁判の傍聴に際して自分なりに実際参加した場合のシュミレーションをしながらの意見があった。テレビ越しには簡単に「こいつ、死刑だよね」なんてお気楽に言ってるけど、実際自分が裁判員になったら、どうなんだろう、元韓国エステ嬢殺害事件みたいに、本当に犯人かどうか判らない時に正しい判断ができるのだろうか?しかも短期間で。実に難しい問題だと思った。2013/06/08
おゆみ
3
「坂の途中の家」を読んだ後に図書館で見つけたので興味を持って。私、何故かわからないけど裁判員制度は自分には関係の無いことなんだろうなと思ってた。私みたいなただのパート主婦は選ばれず、もっと博識で学歴もある人達の中から選ばれるんだろうと。だけど、もちろん関係ないことは無く、生涯で選ばれる確率は70人に1人だって。そんな高い確率なの!?決して他人事じゃないな。そして私ももし裁判員になったとき、「死刑」と言えるのかどうか。そんなことを考えながら読みました。最後の杉並の犯人には、死刑と言えそうな気はするけど……。2018/11/10
コメツキムシ
2
確かに裁判員に選ばれたら悩ましいだろう 特に容疑否認してたら、名探偵でも呼ばないと判断できんよ2024/09/17
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