内容説明
従来の西欧的存在論では十分に解明できない人間の邂逅について、著者はヘブライの思想と文学を背景に他者との邂逅の可能性を探求、ヘブライ的存在であるハーヤーを基盤にしたロゴスとしてのハヤトロギアの誕生に向け思索と生の営みを遂行する。ギリシア悲劇から聖書、さらには中世哲学、近現代思想から東洋的思惟に至る膨大な知見を踏まえた、著者快心の作品。
目次
序 物語的自己同一性と他者
第1章 荒野に咲く物語―異化的真理の声と聴従的漂泊者の物語
第2章 はじまりと語り
第3章 「存在(essance)」の死
第4章 ハヤトロギア(ヘブライ的存在論)の胎動
第5章 「神」なき時代の無「神」論とは?―トマス、ニュッサのグレゴリオスからハーヤー、ヴィヴェカーナンダ(の黒天女)へ
第6章 食卓協働態とハヤトロギア
むすびとひらき 安藤昌益から再び無・限な旅路へ
著者等紹介
宮本久雄[ミヤモトヒサオ]
1945年、新潟県生まれ。東京大学文学部卒、同大学院人文科学研究科を経て、カナダ、エルサレム、パリなどに遊学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は哲学(比較思考)、キリスト教学。学術博士
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