内容説明
心の豊かさをたもつために忘れずにいたい―文化功労者中西進が日本人に贈るロングセラー「忘れもの」シリーズ全3巻ついに完結。
目次
第1章 生きる(なつかしさ―「なつかしさ」を大切にする必要;みたて―「つもり」になることの大きな効用;るす―現代生活は息ぐるしくないか ほか)
第2章 慈しむ(まるた―内在するものを透視する力を持ちたい;つぼにわ―住まいに「坪庭」のアイデアを活かそう;こもの―小物を大切にする精神 ほか)
第3章 繋がる(みやげ―そもそも、みやげ物はテキストだった;うきよ―空想や浮世の大事さを思い返そう;いんが―この世の因果を忘れてはいけない ほか)
著者等紹介
中西進[ナカニシススム]
1929年東京都生まれ。東京大学大学院修了。大阪女子大学長、姫路文学館長などを経て、京都市立芸術大学長、奈良県立万葉文化館長。文学博士、文化功労者。『万葉集』など古代文学の比較研究を主に、日本文化の全体像をおさめた研究・評論活動で知られる。読売文学賞、日本学士院賞、和辻哲郎文化賞、大仏次郎賞ほか受賞
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感想・レビュー
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大猫熊
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文庫本で3冊を手にとって、じょうちょ、で岡潔に詳しく言及しているのをよむ。わかりやすくということなのだろう。短いエッセイだから、まあ、いいとして、情緒はそんなにたやすいものでない、いいなあという感じが懐かしさであり、それが人間の中心にあるものであり、ずっと何万年も続くものだと、人間存在だと岡潔が言うのである、ということを、間違えると、このエッセイのように知と意が抜けた情だけになるようなことになる。珠玉の文集と感想をのべるところ、25篇のうち、数篇は見事である。困ったのは、ほね、のような連想ゲームの文章だ。2012/04/20