内容説明
「日本経済は中国なしでは成り立たない」は、単なるイメージ論にすぎない!2009年の日本のGDPは、ほぼ5兆ドル。それに対して、中国・香港向けの輸出額は1450億ドルで、対GDP比で2.79%。「依存!」「依存!」と言われながら、中国への輸出は高々、日本のGDPの3%にも満たないのが、現実だ!豊富なデータを基に、「中国経済の真実」を解き明かす。
目次
プロローグ レア・アースの神話
第1章 中国との貿易がゼロになると、どれくらい困るのか?
第2章 国民を置き去りにした経済成長の欠陥
第3章 輸出に頼らざるを得ないゆえの限界
第4章 不動産バブルのジレンマ
第5章 中国は先進国になれない
長いエピローグ 体験者が語るチャイナリスク
著者等紹介
三橋貴明[ミツハシタカアキ]
株式会社三橋貴明事務所・代表取締役社長、経済評論家、中小企業診断士。1969年熊本県生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどに勤務ののち、2008年、中小企業診断士として独立。2007年、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で、韓国経済の脆弱さを暴き大きな反響を呼ぶ。ネットから論壇デビューをはたした異色の経済評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mazda
24
中国民事訴訟法231条という法律のせいで、外国人が不当に身柄を拘束される事案が続出している中国(これは国際人権A規約というものに違反しているそうな)。会社が損害を被っても、この法律のおかげで会社畳んで国に帰ることすらできないという、恐ろしい事実。さらに、諸々含んだ費用(人件費+電気代+関税+終身雇用費用+…)が、実は日本よりも中国の方が高いという事実。技術でも費用でも国内で作った方がメリットあるとわかってきている昨今、まだ中国に投資しますか??2013/04/19
Kentaro
22
過去共産党は人民の怒りを利用して政権を奪った訳なので、人民の力を恐れている。何しろ人民解放軍は中国軍ではなく、共産党を守る軍隊であるがゆえ、強権で権力を維持していくなかで、中国経済を発展させ続けることでのみ、共産党の正当性と権威を維持することができる。 中国は土地の使用権を認めることで土地バブルを起こし、土地なり金に沸いた都市部に外資からの投資を次々に呼び込み、グローバリゼーションにおける生産機能をにない、更に輸出を拡大しながら為替を操作し、外貨準備の形で為替安を維持し続けている。2019/10/12
isao_key
4
尖閣諸島のことで傍若無人かつ野蛮な態度を取り続ける中国。マスコミでまことしやかに語られる「日本は中国と経済協力関係なしには生き残れない」というウソを実際のデータ、数字を使って暴いてくれる。1章はこの本のタイトルでもある中国との貿易についての話。2,3章では中国のいびつな経済発展の姿を説明してくれる。5章では医療制度、年金、所得格差について。ジニ係数はすでに慢性的な暴動が起こる領域に達しており、2006年以降暴動数を公表しなくなっているという。この本を読むと今回のデモが政府主導であることをよく裏付けている。2012/09/28
よしぽん
3
経済関係の本やニュースは普段興味の範疇外で、スルーしてきたが、そうとばかりもいってられない昨今の内外の経済情勢。特にお隣の国の動向はいやでも騒々しく耳に入ってくる。我々がそれに対してどう考え、どう対処していけばよいか、豊富なデータで分かりやすく解き明かしてくれる。マスコミなどで垂れ流されるお人好しに解釈された曖昧な中国情報に、いつまでも受け身のままでいることの怖さを、あらためて認識した。2012/06/23
どりたま
3
中国の現状(2010年)を日本などと比較してわかりやすく説明しています。この本の結論は中国は歪んだ成長を継続したまま、先進国にはなれずに終幕を迎える可能性大ということ(最終章の最後に記載)。著者の本を読むとつくづくマスメディアの報道を真に受けてはいけないと感じる。2011/03/05