内容説明
リーダーとスタッフはいかにあるべきか。史上最強の「組織集団」に学ぶ。
目次
第1章 近代組織の鑑 ドイツ参謀本部―フリードリッヒ大王が制限戦争時代に残した遺産(「教訓の宝庫」としてのドイツ参謀本部;ヨーロッパの陸戦史、四つの時代区分 ほか)
第2章 かくて「頭脳集団」は誕生した―ナポレオンを挫折させたプロイセン参謀本部の実力(プロイセン軍の動脈硬化;「最高戦争会議」の創設 ほか)
第3章 哲学こそが、勝敗を決める―世界史を変えたクラウゼヴィッツの天才的洞察(改革思想の余燼1―ボイエン;ボイエンの理想と相反する現実 ほか)
第4章 名参謀・モルトケの時代―「無敵ドイツ」を創りあげた男の秘密とは何か(騎士的心情の国王・ヴィルヘルム一世の登場;文学的素養と文学者的外見を持った軍人 ほか)
第5章 「ドイツの悲劇」は、なぜ起きたか―ドイツ参謀本部が内包した“唯一の欠点”(リーダーなきスタッフの悲劇;シュリーフェン・プラン ほか)
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
上智大学名誉教授。英文学者。文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr.Phil.,Dr.Phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にかの
2
クラウゼヴィッツやモルトケなど、耳にすることはあっても具体的に何をしたのかを知らない人は多いと思います。この本はそういった歴史の表舞台になかなか出てこないような方々に焦点をあて、素人でもわかりやすいように仕立てた本です。その意義はとても大きいと個人的には感じており、また参謀本部という日の当たらぬ存在について考察を加えているところも非常に興味深い。ドイツを知る上で、あくまで入門編としてとても良い一冊といえるでしょう。2012/06/01
jack
0
本文も大変すばらしい。そして巻末の、秦さんとの確執についての反論も興味深かった。☆4.52014/01/02
buriki
0
ミリ系には全く興味がなく、世界史はほとんど学んだ覚えがないが、③の古事記から先に読んでいたのでこの本が気になった。時代を下りつつ、キーパーソンをあげつつ、出来事を織り込みつつでわかりやすかった。これを読んでから「軍靴のバルツァー」を読んで、「ドイツ参謀本部に書いてあったやつだ」と知識がリンクして密かにうれしかった。2013/05/14
くらぴい
0
ドイツの軍隊組織の中枢に位置し、官僚的強靭さは他国の類をみないものでした。ナチス時代親衛隊が国防軍を凌駕してました。