ほとんど見えない

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  • サイズ B6判/ページ数 121p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784896293340
  • NDC分類 931
  • Cコード C0098

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メセニ

10
マーク・ストランドというと、真っ先にある短編集を思い出す人がいるだろう。僕の粗悪なアンテナで把握している限り、彼の作品が翻訳されたのはそれ以来だと思う。実を言えば、その『犬の人生』という短編集がどんなだったかほとんど記憶にない。この詩集もそうだけど、彼の言葉は一つひとつはっきりとしている。ただし総体的なイメージを掴むのは難しい。どこかちぐはぐだ。意味の追求をやめ流れのままに読む。”不在と欠如”に貫かれたシュールなイメージは、読んだそばから揮発しそうだ。作品の持つ暗さと裏腹のこの軽さは何か。何とも不思議だ。2017/06/19

rosie

1
妹が授業でこの作者の詩を読まされていた。後で図書館で見つけたので借りてみた。散文詩のような、短い文章がたくさん読める。テーマもそれぞれで、とても面白かった。確かに、絵画を見るような趣があるかもしれない。一つの文をあれこれと角度を変えて眺める、みたいな楽しみ方ができた。詩人のイメージと言葉の力ゆえかな。2021/11/15

ミムロ犬

1
まったく甘みのない(散文)詩。素面のトーンがなかなかイケており、訳者はこれをルネ・マグリットの絵に例えているが、たしかにその通りでシュルレアリスムではあるが同時にそういう枠を肩透かしにするカッコよさがある。2017/11/09

shinosuke

1
装丁と聞いたことのない出版社だと思って手に取ったらマーク・ストランドだったんだけど、『犬の人生』を読んだことがないので著者情報に意味はなく、詩だと思って読み始めなかったので構成も意味がなかった。題材の通り、ふとした折に何かが掴めそうな、掴めなさそうな、そんな散文で満たされているが世界なんてそんなものなのだろう。見えないということは重要な事柄ではないという事ではなく、その場にあるものとして認識するだけである(受け入れるとは異なる)。言葉のリズムとしてはタイトルが良いのだろうけど意味としては、「たいてい見えて2017/07/07

Chiaki

0
現実とフィクションの境目が溶解して、はっきりと名づけられない情動をきっぱりと描ききるでもなく描いている。一篇のなかには必ず圧倒的な欠落というべきなにかがあり、それは欠陥ではなく、なくてはならない欠落なのだと思う。それがなくては、その一篇の不思議に浮遊する世界観ができあがらないからだ。 「わたしは月に飽きてしまった。その驚きの表情、その青い氷の凝視、その登場と退場に。見えない翼のもと、恋人たちと孤独な者たちの区別もできず、彼らを集めるそのやりかたに飽きてしまった。」ー月を愛した男の夜想曲2017/07/26

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