内容説明
責任の所在はどこに。内部文書から追った、破綻までの生々しい1年の記録。巨大銀行の死に翻弄された経営者たちは…20年後の今、教訓を生かせたのか。破綻から20年が過ぎ、今だから語れる貴重な証言と検証の記録。2017年10月から2018年6月に北海道新聞に連載された「拓銀破綻20年」の書籍化。
目次
第1章 「最後の頭取」回想録
第2章 激流の中で―内部資料が語る11.17敗戦記
第3章 危機に学ぶ8人の論点
第4章 不屈の企業たち
第5章 地域金融の明日
第6章 教訓を生かせ―元拓銀行員座談会
最終章 「トップバンク」北洋銀行100年
エピローグ 取材を終えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
30
河谷禎昌さんの書いた自叙伝「最後の頭取」が面白かったので、地元紙のまとめたこちらも読んでみた。冒頭に河谷さんのインタビューがあるが、自叙伝に比べて内容が薄い。他に内部資料から破綻までの経緯を紐解いたり、有識者のインタビュー、元行員の座談会などがあるが、受け皿となった北洋銀行の歴史まで紹介していたりまでくると、統一感に欠ける気がする。新聞連載をまとめたようだが、書籍化するなら構成や書き振りをもう一工夫すべきだろう。2019/12/08
aun
2
山一もそうだがこういう企業の失敗の記録はとても興味深い。特に第2部の内部資料が明かす末期の資金繰り事情は読んでいるだけで胃が痛くなるが、ページをめくる手が止まらない。編者の力量に脱帽。バブルの狂騒が生んだ歪みは最後の川谷頭取が一人で修正できるものではなく、経営者も現場も誰も悪くないやりきれない事情が浮かんだ。2021/07/08
チョビ
2
この銀行から道新にとらばーゆした方のプロジェクト。道新らしく自民党政権が政策のためにこの銀行を狙い撃ちにしたという記載。元取引先(アインズ&トルペやニトリ)や元行員の愚痴が延々。とはいっても同時期に、金のかからない出演陣チームを結成して、一大ブームをつくったテレビ番組が生まれている。これこそ北海道経済に勇気を与えたからじゃない?と思う。だというのに、経済を活発にしたプロ野球球団を札幌から追い出す人々は、元行員に対して嘲笑しているかと思う。2020/01/17
佐々木満城
1
対応できる事、すべきことはあったと思う。しかし、現実として、 銀行としての経営なんてまるで なかったということ。2019/12/30
はなもり
0
身内に拓銀の関係者がいたのでとても興味深く読むことができた。国の政策の犠牲になった気がした。2022/09/26