内容説明
東日本大震災から一年。圧倒的な現実を突きつけたまま過ぎてゆく時間のなかで、私たちは何を受け止めることができたのか。発するべきことば自体を失う状況に直面した一年を経て、それでも紡ぎ出された一〇六人のことばから考える。
目次
花を奉る(石牟礼道子)
非暴力の潮(小沢信男)
魯迅にとっての近代人(辻井喬)
わが日常をかえりみつつ(森崎和江)
かよわき葦(渡辺京二)
「ラッキー・ドラゴン」と福島(吉川勇一)
ある隣人の衷心(高銀)
露出した日本の課題(堀田力)
価値観を変えなければ(星寛治)
東日本大震災で考えたこと(青木新門)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
八百
18
退屈極まりない本である。しかしそこに落とし穴があるのであって私たちはこれだけの識者が「わかっていた」という事を知らねばならない。維新から近代化を掲げ富国強兵に踊らされた時代はヒロシマナガサキで滅びた。そして戦後復興を掲げ兵なき富国強兵に踊らされた時代もまたフクシマで滅びかけた…そう2度目の核、そして今回は自爆。そんなこともこの国の頭脳たる人々は「わかっていた」のだ、悪いのは暮らしが良くなる楽になると騙され続けてきた私たち国民。しっかりと学ばなければならない、でないと3度目はニッポンの名を残しこの国は滅びる2016/03/30
kiho
10
震災から1年後に記された、各界の方々の1年間とそれを経ての思い…ちょうど震災から3年の今、読む機会を得ました☆思いはそれぞれながらも、誰もが東北の地を見つめ、自らが出来る事に心を傾け、出来ない無力感にも包まれている…3年たっても復興というには遅々とした現状、だからこそ目を向け続ける大切さを改めて教えてくれる1冊。2014/03/20
123456789wanko
9
東北地方の震災から一年を経た今だからこそ語れる、それぞれの言葉。1人あたり数ページと、『3.11の未来』に比べるとかなり短いのが特徴。その分多くの方の想いをみることができます。村上陽一郎さんの言葉「テロリストの観点からみれば、今回の原発事故で、どうすれば原発を破壊することができるか、という知見を得られたことになる。セキュリティの問題として、こういった見方もしないといけない」。感情的になりすぎず、多面的な観点を忘れないようにしたい。2012/09/04
marixtaka
1
こんな風に普通に平和に暮らしてちゃいけないんじゃないかなと、ふと思う。思いながら、だからこそ、普通に暮らしていようとも思う。2016/07/14